〈第6話〉 発病、そして人生の大いなる転機
第2章 ―――― Beginning of My Journey (旅の始まり)
発病、そして人生の大いなる転機
年が明けて、頻繁に胃の痛みを感じ、血尿が止まらず微熱が下がらない日があった。
私は相変わらず中国系の旅行会社で働いていたが、仕事への熱意は持てず、毎朝出勤する事が苦痛だった。体の不調について多少は気になったが、数年前に仕事で忙しかった際にも血尿が出た事があり、検査を受けたが特に異常は見つからなかった。従ってこれは絶対にストレスのせいだと信じこんでいた。
その頃、朝から憂鬱になりがちであった自分自身にスタートをかけようと、簡単なストレッチ運動と腹筋を毎朝行ってから家を出るようにしていた。そしてある日、いつものように腹筋をしていたら、左肋骨の真下あたりに瘤の様なしこりがある事に気がついた。「エッ、何?」と思い、何度もそのあたりを触ってみたリ、押してみたりした。その塊自体に痛みは感じなかったが、硬く、妙な圧迫感を少し感じた。胸騒ぎを感じながら慌てて病院へ行き、検査を繰り返した結果が悪性腫瘍、すなわち『癌』だった。
母と母方の祖母を子宮癌で亡くしていたので、いつか自分も同じ病で死んでしまうのではないかというトラウマをずっと昔から抱き、夢でうなされることもあった。癌の種類は違ったのだが、病の宣告を受けた時、「とうとうきたか。」と思った。その時までの私はまるで刑の執行を待つ罪人の心境だった。
けれども、一旦自分が癌になったと認識した直後、長い間を通して私に付きまとっていた“いつか癌になるかもしれない‘”という恐怖感が一瞬にして消えてしまった。
その後、私は様々な体験を経て、病と戦い、夢を抱いて新たな人生を歩むことになる。
英語に『OPPORTUNITY (転機)』 という言葉があるが、まさしく私にとっての癌宣告はBig Opportunity(大いなる転機)であり、私の新たなる人生の旅はそこから始まったのだ。
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次に続くメモは、私が闘病中にロサンゼルス在住のクロスカルチャー・コンサルタントで臨床心理学博士、そして自らも乳癌を克服したと言われる三浦たつ子先生(Dr.タツコ・マーティンとして日本でも著名)よる代替医療勉強会へ参加した際、講義の内容をまとめたものである。
成人病を告知された患者たちに共通する生活習慣
1.仕事の鬼だった。(食事や睡眠や休みを無視して仕事中心の生活)。
2.コーヒーやアルコール、煙草の大量摂取と肉中心の食生活。
3.睡眠不足。(病気にならないためには最低6時間以上必要)。
4.ストレスを常にかかえる環境にいる。
5.恨みや僻み。怒りなどのネガティブ(マイナス)思考を抱く。
6.悲しみ、身の回りの不運において自己を責める。
成人病の完全克服に成功された方々に共通する生活習慣
1. 決死の覚悟をして生活スタイルを一変させる。
2. 周りの助け(友人、家族、恋人、両親、他界した人、守護霊などを含めて)を得る。
3. 落胆した気持ちを持たず、絶対に治るという確信を持つ。
4. 自分の精神をポジティブに保つ(自分に優しく、自分を責めない)。
5. 日常生活でストレスになる人を遠ざける(自分や周りのエネルギーを吸収し、暗くさせるような人と付き合わない)
6. 穀物、菜食中心の食生活と良い水(ミネラル豊富)を1日にコップ10杯以上飲む。抗酸化食品を摂り、体内の解毒を行う。
7. 自分の第6感(直感)に従う。
8. 医者の言うことを聞かない。
9. 1日のうちに必ずリラックスする時間を見つけ、精神をゆったりさせる事を実行する。(これは治癒の上で一番大事)。
10.周りのモラルサポートを十分に受ける。(グループセラピーや勉強会などへの積極的な参加)。
11.自分の病気、そしてそれを教えてくれた体に感謝の気持ちを持つ。
12.自分の病を大袈裟にしない。
13.周りの人へ優しく接する。(常に愛をもって接する)。
14.目標、生きる目的を見つける。
15.神様や太陽、自然の大地、宇宙などの霊的なものを崇め、助けを求める。
16.健康回復に向かい、決めたことを実行する。
17.病に焦点を置かない。病自体を治すと考えるより、如何に健康な肉体を得られるかと言う事に焦点をおく。
18.「ノー!」といえる強さを持つ人間になる。我慢をしない。
19.毎日運動をする、柔軟体操が一番大事。(リンパを刺激する)。
20.十分な睡眠をとる。(1日8時間以上)。
また次は、Dr. Larraine Day(www.drday.com)という癌生還者の女性外科医が、自身の講演会や著書等で述べている要点である。
彼女は進行性乳癌の宣告を受け、発見時には腫瘍はすでにグレープフルーツ大の大きさに成長しており、肺への転移もあったが、手術や放射線、抗がん剤等の西洋治療を一切受けずに自然療法で自らの病を治癒した後、代替医療の第一人者となった人物である。
彼女の経験に基づく10の法則を下記に記すが、いくつかは上記のリストと重複する。
1. 植物性プロテイン、水、野菜、果物、穀物、青汁を飲む等の食生活を中心にし、動物性の蛋白質の摂取は一切止める。
2. 日に3~5回の運動をする。(柔軟体操やストレッチ)。
3. 良い水を1日にたくさん飲む。(病気の時20杯、健康回復時10杯)。
4. 適度の日光浴をする。
5. コーヒー、煙草、酒、薬を一切取らない。
6. 新鮮な空気を吸う。
7. 十分な休息、睡眠をとる。(夜は9時半~10時の間に就寝、朝は6時起き)。
8. 完治を信じる心を持つ。
9. あらゆることへの感謝の念を持つ。
10.奉仕の精神を持つ。
そして、これは私の周りで癌を克服した人々に聞いた言葉。
“死にたくない”と思うのではなく、“生きたい”と思うこと。
五十嵐ゆう子
JAC ENTERPRISES, INC.
ヘルス&ウエルネス、食品流通ビジネス専門通訳コーディネーター
1 件のコメント
今の世の中
圧倒的に
成人病を告知された患者たちに共通する生活習慣
を取っている人が多いですね・・・・
悲しく恐ろしいことです。
笑顔を忘れぬよう。日々心がけております。。。