〈第27話〉 セドナパワー
第10章 ―――― Rebirth Experience in Sedona, Arizona (セドナでの再生体験)
セドナパワー
アリゾナ州のセドナは、私が連載している「米国エステシャン日記」に度々登場する場所である。10年前に初めて訪れてから、私はセドナに魅了され続けている。ラスベガスへ引っ越してからはロサンゼルスへ行くのと変わらない距離で行けるので、1年に最低でも2度は行く事にしていた。私にとってセドナはアメリカの大自然の中で最も愛すべき地だ。
標高1400mに位置し、地殻変動と侵食によって生み出された壮麗で神秘的な赤い断層が彩る、様々な形をしたレッドロック。それらには、ボルテックスと呼ばれる、地球の磁力が集まって外部へ湧き上がるエネルギーが渦巻いている。
セドナは世界7大スピリチャルスポットの一つともされ、全国からスピリチャルヒーラーや芸術家などが集まって暮らしている場所でもある。中でも大聖堂という名称で呼ばれるキャセドラルロックには女性的なエネルギーがあるとされ、そのレッドロック内部には大きなクリスタルが存在し、そこへ登る事で魂を浄化すると言われている。その姿は、愛し合い見詰め合う男女を祝福する人々が取り囲み、まるで聖堂で結婚式を行っているかのように見えたり、男女がお互いの背をくっつけながらそれぞれの方向を見詰めているようにも見れる。
日本から戻った私は、早速その翌月にも子供を連れてセドナへ出掛けた。美恵さんと初めて会った時にここの話をした事があり、“元気になったらアメリカへ遊びにおいでよ、セドナへ連れて行くからね”と言った事を思い出したからである。
日没前だったので、前から一度挑戦したいと思っていた赤いジープでオフロードを走りながら、夕焼けのレッドロックを見学するツアーに申し込んだ。ボルテックスエネルギーに溢れ、一番強力なパワースポットとも言われるエポートメサまで、お尻をポンポンと跳ね上がらせながらオフロードのでこぼこ道を登ると、やがてセドナの美しいレッドロック群を見渡すことが出来る高く広い岩山の上に着いた。
オレンジ色の沈み行く陽に照らされ一段と赤く染まる感動的な景色を眺めながら、暫し、美恵さんの事を思い瞳を閉じた。すると彼女が本当にそばに居るような気配を感じた。そんな不思議な事が当り前に感じられるのもセドナのパワーの成せる技だと思う。私はここへ来るといつも必ず新しいエネルギーを貰って元気になれる。
ある貴重な体験
そして2007年の4月のセドナで、私は一生忘れない出来事を経験する。この日は、友人のあつ子さんと二人で1泊2日のセドナ旅行へ出掛けた。
ラスベガスから車で約4時間半、約400キロの道のりをひたすら東へ向かって運転し、北上すればグランドキャニオンへと続くフラッグスタッフという街の手前で89番線に乗り換え、オーククリーク川に沿って南へ下がり、峡谷の樹海を抜けると、息を呑むような絶景が目の前に現れた。レッドロックと呼ばれる真っ赤な岩山と豊かな緑のコントラストが素晴らしく美しい。セドナの中心であるオールドタウンで一旦車を停め、崖端のコーヒーショップで壮大な眺めを見ながらお茶を飲み休憩した。
今回の旅には目的があった。友人からの薦めで、セドナ在住のスピリチャルヒーラーに会い、サイキックリーディングをしてもらう計画であった。女性という人種はこの類に男性以上の興味を示す。私も友人のあつ子さんもその部類に入るようだ。
コーヒーショップを出て時計を見ると、リーディングの予約時間まで未だ2時間ほど時間が余っていた。オールドタウンにある土産店を二人でぶらぶらしていると、私の携帯電話が鳴った。“予約の再確認かな?”と思い電話を取ると、
「もう到着されていますか?でしたら、少し早めに来ていただけますか? というのも、リーディングを始める前にどうしても急に行かなければならない場所が出来ました。出来れば一緒にお連れしたいのですが…」
「はあ、別に構いませんけど。私達2名がお供してもお邪魔ではないのですか?なんなら、時間をずらしますか?」
「いえ、来て頂けると嬉しいです。そのようにお告げがありましたので。」
“お告げ、誰から?” 一般人の私には理解し難い言葉であったが、逆に好奇心も沸いた。
「あのう、それは別料金が掛かるのですか?」
思わず庶民的な質問をしてしまった。
「いいえ、お金など掛かりません。私が勝手に連れて行きたいと言っているのですから。」
私は、
「取り合えず一旦電話を切って、友人と相談してからまた掛け直します。」
と伝えた。あつ子さんは、横で一部始終を聞いていた。そしてこう言った。
「ちょっと面白そうじゃないですか、行ってみましょうよ。」
私も同感だったので、すぐ折り返し電話を掛けた。
オーククリーク川が流れ、キャセドラルロックが真正面に見える観光ポイントのレッドロック・クロッシングと呼ばれる公園付近にヒーラーが借りているスタジオがある。私達はそのスタジオ前で待ち合わせた。
五十嵐ゆう子
JAC ENTERPRISES, INC.
ヘルス&ウェルネス、食品流通ビジネス専門通訳コーディネーター
6 件のコメント
毎週木曜日楽しみにしていますが、次回の展開も、楽しみ
何でしょう!
本当に、ゆうこさんのお話を読んでいるよ人生すべて起こるべきことがおきているのかなって感じます。
次回からは少しドキドキハラハラなお話が出てきます
それも実体験なのですが、、、。
話が横道にそれますがちゃんとそのことも含めて
本道に戻りますので
ご期待ください
これから、どんなシーンが、待っているのでしょうか???
楽しみです!
セドナの続きを早くぅぅ。木曜日が待ち遠しいです。
Apple Town様
コメントありがとう御座います
さて、楽しんでいただける展開であると
良いのですが、、。一応、乞うご期待です。
限界様
コメント感謝です。
更新まで
もう少しです
待っててくださいね