TargetのP-Freshとメーカーからの評価
この夏から一部工事中だった近所のTargetが感謝祭前に新装開店し、新たにP-freshという生鮮食料品売場がオープンしました。オープン前にはお知らせが届き、総額$50のクーポンと卵1ダースの無料券が入っていました。
以前は駐車場もガラガラで、いまいちパッとしなかったこのTargetですが、さすがにクーポンと無料卵のお陰なのか、平日の午後2時という時間帯にもかかわらず、車がたくさん停まっていました。
出入り口の自動ドアには新鮮な青果の写真、その横には“新鮮な食料品が着きました!”という垂れ幕。中に入ると、レジの周りには再びカラフルな青果の写真が並んでいました。
しかし、“肝心の生鮮コーナーはどこ?”という感じで見渡すと、そのコーナーは入り口からかなり離れた右横に設置されていました。Wal-Mart Supecenterのように、Produce(生鮮)売場専用の出入り口が無いので、「Targetの生鮮売り場は遠いなぁ」というのが正直な感想でした。
やっとたどり着くと、“Fresh Grocery”としるされたポップの下に、島積みで数種類の果物と野菜が並んでいました。それをはさんで左側には、レストラン・クオリティーの肉が自慢のSutton & Dodgeパッケージの精肉コーナー、右側はパック野菜コーナーが並んでいました。
Target社が数々のリサーチをした結果、「当面は生鮮食料品よりもドライグロサリー、冷凍食品に力を入れる」といっていたように、生鮮コーナーは確かに控えめでした。冷凍食品コーナーにはWal-Martよりハイエンドのアイテムが少し多いかなという気がしました。アイスクリームコーナーにはグルメデザートのCiao Bellaのジュラートシリーズも並んでいました。
中で働くお兄さんに「そのT-シャツカワイイねえ。写真撮らせて。」と頼んだら、快くシャッターにおさまってくれました。Produceコーナーで働くスタッフは皆このシャツを着ていました。
Target社はこのP-Freshのコンセプトを2010年内に全米の350店舗に拡大していく計画であると発表しています。先に展開している108店舗では幸先の良い売上の結果を出したことも後押しとなっているようです。10月3日に終わった第3四半期の売上高は$14.8ビリオン(1.4%増)、純利益は$436ミリオン(18.4%増)だったそうです。
つい先日のスーパーマッケットニュースの一面には、トップ10の食品小売業の中で、Targetの品揃えが最も戦略的な工夫がなされていると、メーカーから評価されていると書いてありました。
年末商戦の火蓋が切られた今年のBlack Fridayでは、Targetの売出し開始時間がWal-Martより1時間早い午前4時でしたので、私も出向いてみましたが、人の出足は昨年よりも多いなと感じました。
さて、これからクリスマスにかけてどんどんヒートアップする小売業の戦いの中で、メーカーも太鼓判を押すTargetが赤丸急上昇となるか?
今後、目が離せません。
五十嵐ゆう子
JAC ENTERPRISES, INC.
ヘルス&ウエルネス、食品流通ビジネス専門通訳コーディネーター