Guilt Free to Gluten Free 罪悪感フリーからグルテンフリーへ
以前、このブログでGuilt Reduced Foods(罪悪感を軽減する食べ物)
について書いたことがあります。
Guilt Reduced Foodsというのは、
Conventional foods(一般食品)と比較すると、
低カロリーで、動物の肉を使用していない、
いわゆる、“ベジタリアン食品”などのことです。
その究極の食品がGuilt Free Foodです。
No meat, No fat, No Carb, No sugar, No additive。
つまり、肉、脂肪、炭水化物,砂糖、添加物などを
使用していない食品です。
米国の健康志向者の間では既にトレンドになっていますが、
Gulten Free (グルテンフリー)商品の普及が最近、著しいのです。
グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種。
グルテンを摂取すると、アレルギー症状がでたり、
セリアック病(グルテンに対する免疫反応が原因の免疫疾患)や
腸疾患などを引き起こす原因になる場合があります。
そのグルテンを取り除いた食品は、またたく間に、
ニッチなポジションから拡大し、
今では、Wal-Martをはじめとする、普通のスーパーマーケットでも
「グルテンフリーコーナー」が設けられるようになりました。
スーパーマーケットにおける「グルテンフリー」商品の
2012年度の売上高は26億ドルにもなると予測されています。
興味深いことに、これらの商品を買い求める客の数は、
グルテンが摂取できないセリアック病患者より断然多いのです。
グルテン・イントレランス・グループの専務取締役、
シンシア・クーパー女史はこう述べています。
「このダイエットの支持者である大部分の人々は
セリアック病患者ではありません。
しかし、グルテン食品に対して過敏な人たちなのです。
自閉症患者集団や多発性硬化症、慢性関節リウマチ、
皮膚病などの、健康上の問題を抱える人々でも、
日常の食生活からグルテンを取り除くことで、
気分が良くなる傾向があります。
現在、グルテンフリー商品はプライベートブランドでの
セレクションまで揃うようになりました。
これこそ、私がグルテンフリー商品の傾向を見てきた中で分かった、
大きな変化のうちの1つです。
この流れは、ホールフーズ、ウォルマート、
セーフウェイ、クローガーなどの大御所で起こっています。
実際に、グルテンフリーは主流商品の一部なのです」
昨年、日本で、小麦成分を含む石鹸を使い続けたことにより、
食品アレルギーが起きたというケースが多発しました。
アメリカでも同様のケースが問題になっていました。
特にアダルトにきびの原因がグルテンであったと言われています。
私のブログでも以前に紹介した、
養蜂から生まれたBurt Beesのスキンケア製品は
かなり前からラインアップの中に「グルテンフリー」の商品を持っていて、
皮膚疾患のある人々の間で買い求められてきました。
そして下記の写真のような「グルテンフリー」の
スキンケアラインを拡大するメーカーも増えてきています。
現在、グルテンフリーの商品は、
自然食料品以外はオンライン上で販売されているのも
興味深いですね。
アメリカで今、若い女性にドーナツ以上に人気があるのは、
New Yorkが舞台の人気コメディドラマ、
“Sex and the City”シリーズでも度々登場する、カップケーキ。
(C) 2000 Paramount Pictures All rights reserved.
Magnolia Bakeryのカップケーキは見た目がかわいく、
歩きながら食べてもお洒落で、
小腹を満足させるには丁度良いサイズなのです。
すべての商品がトランス脂肪酸フリーでつくられています。
最近では、主に米粉を使用したグルテンフリーの
カップケーキを売る店も増えてきています。
ちなみに私の自宅近くで見つけたケーキ屋Eat at Cakeで
一番人気のシフォンケーキも全て米粉使用のグルテンフリーです。
日本でも有名な市販薬、Vicks(ヴィックス)でも、
グルテンフリーの風邪薬が登場しています。
グルテンフリーのビールまで発売されています。
今後もグルテンフリーの商品は
米国食品小売業において、
ゆるぎない座を獲得しそうです。
<By 五十嵐ゆう子>
3 件のコメント
五十嵐さま、こんにちは
今回の米国日記では食に対する意識が変わりました。
トランス脂肪酸フリー、グルテンフリー、
何を食べても良いと思いますが、その食べ物にいつまでも
かかわりたいものです。
私はグリアジンのアレルギーがあるようで、食物依存性運動誘発性アナフイラキシーを発症したことがあります。
アメリカのグルテンフリー志向へと関心が高まっているのは
アメリカの食に対する意識がすすんでいる証拠、しばらくは、目が離せませんね。
S.I.様
グリアジンは確かグルテンを構成する小麦タンパクの成分の1つですよね。
米国ではグルテニンかグルアジンのどちらかに過敏に反応する人らをまとめてグルテンアレルギーと指すと記憶しています。S.I.様のように普段は何も無いのに、運動などで身体を激しく動かした事が引き金になって発症するケースも、小麦入り石鹸で顔を洗い続けて、そして小麦を口から食べたとたんに発症するケース、何かの食物を食べあわせをしたときに発症するケースなど様々です。日本では昔から精進料理などで使われてきた麩の原料もグルテンなのですが、麩でアレルギーが出るとか、体の調子を壊したと言うのはあまり聞きません。
だから全てのグルテンに問題が有るのか?というと疑問な面もあります。
米国では、今後このグルテンフリーの志向の高まりと共に、もっと問題点も掘り下げられて研究されるのではと想像します。
五十嵐さん
先日はアメリカ研修でお世話になりました。
おかげさまで、とても充実した研修ができて心からうれしく思います。
わたしが印象的だったのは、視察先で働くスタッフの笑顔とあいさつです。
業務中の見学は、「わずらわしい」と思われても仕方がないのに、みんなが笑顔で対応してくれました。さらに、立ち寄ったどこのスーパーでも、「Hi! How are you?」と必ず声をかけてくれました。日本の大手スーパーではありえないことです。
日本における我々の業界の見通しは明るくなさそうです。
これからの生き残りをかけて、社長から初めて全社員に対してメッセージが発せられましたが残念なことに店舗のひとりひとりにまでは意味が伝わってないようです。
「会社が自分に何をしれくれるか?」ではなく、
「自分が会社、社会に何ができるか?」という考え方は
社長のメッセージに通ずるものがあるのではないかと感じます。
研修最終日のメッセージ、みんなの心に届きました。
五十嵐さん、本当にありがとうございました。
今度は「アメリカのホスピタリティ、CS」について学びたいです!