RESTLESS IN SEATTLE シアトルで大忙し
アメリカの大統領選挙も大詰めです。
全米のいたるところで
このような両候補を意識した商品を目にします。
オバマ氏にとって、10月の終わりに東海岸をおそった
未曾有のハリケーン“SANDY”は、
被害に対して迅速な対応を見せる絶好の機会となったようです。
メディアは「この惨事は追い風となったのでは?」
と報じています。
しかし勝負の結果はぎりぎりまでわかりません。
どちらにしても今年の11月は、
全米にとって慌しい月となります。
私は先日、秋も深まり始めた米国西海岸最北端の町、
シアトルとポートランドを訪ねました。
1週間雨という予報は運よく外れ、青空続きでした。
シアトルに向かう前日に立ちよった、
ポートランドのバラ園では花が満開でした。
ここは全米で最も古く、規模も大きなバラの試験場なのです。
さすが昔から”Rose City Portland”と
呼ばれるだけのことはあります。
バラ園から森を抜けると、
向こう側にポートランドのダウンタウンが見えます。
ポートランドやシアトルの良さは、
普通の食料品店のような店でも、
日本のデパ地下並みのグルメ食材が買えることです。
写真はポートランドで7店舗展開するローカルの
グロサリーストア、 Market of Choice。
ここの惣菜コーナーにはインドからロシア料理まで
オーセンティック(本場の味)で見た目も美味しそうな料理が
たくさん並んでいます。
ポートランドには他にも
グルメ食料品店のZupansがありますが、
現在は高級感やグルメのみの店よりも、
WHOLE FOODSを意識した健康とグルメ食材マーケット、
New Seasonsの勢いが一番強いなと感じました。
やはり21世紀型の顧客にとって、
“健康”という付加価値は
店を選ぶ上で大きなポイントのなるのでしょう。
その後、陸路でシアトル入りしました。
シアトル市内のShorelineという場所で、
昨年までTOP FOODSのバナーで展開していた店が
創業者家族の名前である“Haggen”というバナーに変わっていました。
数ヶ月前にアメリカの小売流通専門誌
Supermarket Newsで発表されていた
Northwest Fresh Highlight Program
(オレゴン州やワシントン州などの米国北西部から集められた
地産地消の新鮮な青果を集中的に品揃えするという計画)が、
店内で強調されていました。
この企画が彼らの生き残りをかけた他店との差別化となるかは、
今後の顧客の反応次第でしょう。
店内を見ていると、以前から顔見知りの
店長のRonさんが明るい笑顔で声をかけてきました。
「創業者家族の歴史が書いてあるところを
是非見て行ってください。
売り場もステキになりました。
写真もドンドンとっていいですよ!」
まぁなんと気前の良い言葉です!
次に日系3世がオーナーのCentral Market。
(ちなみに、テキサス州のH.E.B.が展開している
セントラルマーケットとは店名が同じですが全く関係のない店です)
10月の頭に行なわれた収穫祭で1~3位に入賞した
巨大かぼちゃが店の前に飾られていたのが印象的でした。
店内でみかけた大玉スイカと同じくらいのサイズの
キャベツもとってもユニーク!
それからKroger傘下になっても地元密着型で、
創業当時と変わらぬホスピタリティーの精神で
根強い人気のあるQFC MARKETにも行きました。
店の入り口を抜けると、目を奪われるような
生花のディスプレイに溜息が漏れてしまいました。
青果売り場の什器や
バナーの色合いも秋らしさを感じます。
母でもある私が特に感心したのは、
店内に設置された託児施設でした。
店の名前をもじって、Quality Fun Centerと命名された部屋の中は、
子供でなくてもワクワクするような雰囲気です。
好きなドレスに変装できる衣装コーナーもあり、
スーパーの中の託児コーナーとは思えないほど
充実した場所でした。
なんと1日に100人近くの子供達が
ここを利用しているそうです。
託児コーナーの担当者が1日の時間ごとの
預け入れ記録を見せてくれていたら、
ちょうど常連のお母さんが双子を預けに来ました。
子供たちは中に入る前から、
楽しそうに飛び跳ねていました。
ここは私が今まで他の小売店で見かけた
どの託児コーナーより楽しそうでした。
それを裏づけるような言葉が担当の女性から聞けました。
「だって、楽しい場所でなければ、たとえ一時的にせよ、
預けられている子供たちにとって失礼でしょう?
ここを充実させてから売上げも確実に増えました。
毎日来店する常連の子供さんがたくさんいますからね。
店の利益に確実に繋がっていますよ」
店舗視察の後は、チャイナタウンにある
侍ラーメンにて醤油ラーメンを食べました。
お腹も膨れたところでダウンタウンを歩いて散策。
有名なパイクプレース市場にある
金の豚さんの前は人だかり!
その下へつづくスロープを行くと、
“市場にいるお化けを見ましょうツアー”の看板がありました。
ツアーは日没後に始まるそうです。
「お化けは見えるの?」と聞くと、
「時々ね。私は何度も見てるのよ」
「どんなお化け、怖いかしら?」
「見た目は生きてる人みたいよ。ちょうどあなたのようにね!」
スロープを進むと、
有名なチューインガムアートがあります。
うぅ、ここはいつ見てもちょっとげんなりしますね…。
朝は早起きしてスタバへ珈琲を買いに行きましたが、
さすが樺太と同緯度の地。
かなりの寒さでした。
待ちを歩く人々は珈琲をカイロの代わりにしていました。
現地のガイドさん曰く、これがシアトル流だそうです。
お仕事が全て終わってから、最後に一人打ち上げ。
帰りの空港で搭乗前にフレッシュな生牡蠣とワインで乾杯!
店を見て、話を聞いて、いっぱい写真を撮って、
食べて、飲んで・・・と忙しい日々を送った私は、
帰りの飛行機でやっと深い眠りに落ちたのでした。
<By 五十嵐ゆう子>
6 件のコメント
五十嵐さん、こんにちは。健康志向のレポート、楽しく拝見しました。地産地消は日本でもキーワードになっています。最近、お弁当を担当するスタッフが栄養士の資格もあることから500Cal以下のヘルシー弁当を開発始めました。
託児施設は、充実していて羨ましいですね。他との差別化にもなりますね。陸路、空路とさまざまな風景に出会えて感謝しています。風邪などひきませんように。
ワシントン州シアトル 美しい街です。
漁港のスタバ1号店が懐かしいです。セントラルマーケット、QFC、THRIFTWAY、鮮魚市場が記憶に残っています。マイクロソフトの本社もありました。また訪れてみたい街です。
S.I.様
コメントありがとう御座います
お弁当開発の担当者が栄養士の資格!素晴らしいですね
WHOLE FOODSが躍進的に業績を伸ばしている光景をみますと、これからは健康に関する付加価値を追求することが、食品流通企業の差別化の高いキーポイントとなると信じています。
アサイ様
コメント感謝です。シアトルは西海岸では一番食も豊かで本当に素敵な街です
地元でとれた旬の生牡蠣や、ムール貝のワイン蒸し、そして500種類もある地ビール
最高です!(がしかし、家にもどってからのダイエットはちょっと頭が痛いのです・・・。)
五十嵐さん、はじめまして。
実は私はフードライターなのですが、色々とオンラインで調べものをしておりましたら五十嵐さんのブログへと到達し、興味深く拝見させていただいておりました。お忙しいところ大変恐縮なのですが、個人的に少しお伺いしたいことがございます。メールをさせていただいてもよろしいでしょうか?
突然のお伺いにて失礼いたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
Mayunese様
ご連絡ありがとうございます。商人舎様を通して
私個人の連絡先を知らせて頂きます