Happy New Year 2013
明けましておめでとうございます。
あっというまに2013年の年が明けました。
11月最後の木曜日にあったThanksgiving Dayは、
ついこの前、迎えたばかりのような気がします。
今年のThanksgivingには、日本から友人がきました。
空港まで出迎え、ダウンタウンのレストランで七面鳥ディナーを食し、
その足で毎年恒例の”Black Friday Sale”へ行きました。
Wal-MartやTargetなどの大手小売業は、
今年はなんと感謝祭当日、木曜日の夜から大売出しをスタート。
Wal-Martに至っては、開店が夜8時でしたので、
おちおち夕食も楽しんでいられず、急いで駆けつけましたが、
それでも開店前には間に合いませんでした。
「じゃあ、なんでフライデー?」という言葉が
思わず口からでてしまいました。
クリスマス後の一年最後の大売出し、”After Christmas Sale”も
もしかして、クリスマス当日から開始する日が
近い将来にくるのかしら?と思ってしまいます。
個人的な意見としては、
従来の”Black Friday Sale”の方が臨場感がありました。
金曜日に早起きをし、毛布と折りたたみ椅子を持参して、
明け方から店の前で待つのです。
寒い中で待っていると、
お店の人がココアをタダで配ってくれたりしました。
今回のBlack Friday Saleは
オンラインショッピング増加の影響もあって、
人出が少ないように感じました。
実際に2012年は2億4700万人が4日間に及ぶ感謝祭セール期間中、
インターネットや店舗で買い物しましたが、
そのうちの40%がオンラインショッピングでした。
週明けのサイバーマンデー(オンラインの月曜限定セール)も
着実な伸びを見せ、結果にも反映されているようですね。
スマートフォンやタブレットの急速な普及により、
消費者の買い物動向が如実に変化してきています。
小売業者はオンライン戦略の強化を図ると同時に、
今まで以上に店舗に客を引き寄せるような強い特色が必要だと思います。
特色と言えば、
とうとう英国テスコ社が米国進出5年目にして、
Fresh & Easy Neighborhood Marketの撤退を発表しました。
米国展開の責任者であったCEOのTim Mason氏は社を離れました。
米国で出店した200カ所に及ぶ店はどこに買収されるのか。
Wal-Martの食料品と雑貨、ドラッグを中心とした店、Neighborhoodか?
商品アイテムを絞り込み、低価格で食料品と雑貨を提供する
ボックスストアAldiか?
もしくは大手ドラッグストアチェーンのCVSか?
もしくはWalgreenに買収されるのか?
今後、関心のあるところです。
しかし、私は個人的にはFresh & Easyを利用していたし、
彼らが生き残りをかけて色々なチャレンジを続けていたのを
見られなくなるのは、ちょっと残念な気がします。
進出以来、損失がなかなか収まらず、
本家本元の英国テスコ側の業績も下がり、
投資家たちの堪忍袋の尾も切れたのですから仕方ないですね。
テスコ社は米国での失敗を
“進出時期と未曾有の経済恐慌が重なったためである”と述べています。
しかし、同じような小型食料品店であるTrader Joe’sやAldi、
そしてSprouts Farmers Marketなどは、
同時期に業績アップを成し遂げているのです。
すべてを“空前の不景気”という理由で片付けるのはどうかな?
と思うのは私だけではないようです。
米国スーパーマーケットニュースの誌面では、
アナリストたちもいくつかの問題点を挙げていました。
1. ノンフリル(飾っけなし)の店内で
プレミアム(上質)なグロサリーを、低価格でプロモートするという試みは
米国の買い物客を混乱させた
2. 新鮮さを売りにする意図が、強烈な価格アプローチに取って代わっていた
3. インストアベーカリーの欠如(あとから3割の店舗にだけ導入はしたが)
4. ヘルス&ビューティ商品が多すぎた
Fresh(新鮮な食料品) & Easy(利便性)という看板に謳った文句。
この意図にひきつけられて店舗へと訪れた客の期待を
満たすようなオペレーションが、
不完全のまま終わってしまうというイメージは拭いきれません。
消費者の一人として感じた問題点は、上記の1番の理由と似ています。
スペシャルティに特化する方向性と、
100%セルフレジという矛盾に問題があったことだと感じます。
もっと直に顧客の声を聞いて、店と客との意思の疎通ができていれば、
米国での展開にもっと可能性があったかもしれません。
そういえば、昨年他界された
直木賞作家の藤本義一氏のインタビューでの一言が思い出されます。
「“儲ける”という言葉は信じる者と書きます。
自分が相手に売る何かを、
自分がほんまによいものであると信じなければ儲かりません。
それから、”人”と”者”の間に”言”という漢字がありますが、
この“言”は、コミュニケーションという意味だと思っています
(義一氏はこの“言”という位置を、仕事で担っていたと述べていました)
まさしくコミュニケーション無しで儲けは生まれませんな!」
義一氏はダンディさと知的さを持ち合わせたステキな男性でしたね。
彼の話す関西弁が大好きでした。
いつも人の声が飛び交う大坂の黒門市場で、
商いを行なう人々を教科書にして育った私にとって、
“コミュニケーション”が客と店の間でスムーズに取れている店が
儲かっているのは当り前でした。
さて、迎えた2013年は皆様も報道でご存知のように、
米国の経済が崖崩れを起こしてしまう現象、“Fiscal Cliff (財政の崖)”を
なんとか回避することができたようで、株価も上がり始めています。
今年の干支は巳年。
巳さん(蛇)が冬眠から覚めて地上に這い出す
“復活と再生”の姿を表しているそうです。
なんかワクワクしてきましたね。
皆様、2013年もよろしくお願いいたします!
<By 五十嵐ゆう子>
2 件のコメント
五十嵐さん、あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。昨年は米国研修がなかったので、ご指導いただけず残念でした。今年に期待しつつ。
アメリカではThanksギビングday前後で購買行動が変化しているんですね。勉強になります。ありがとうございます。来店されるお客様をいかに引きつけ、ご恩返しする事を2013年は心したいと思いました。
S.I様
早速のコメント感謝です。
こちらこそ本年もご指導、応援など
宜しくお願いいたします。
2013年もフレッシュと感動をお届け出来るように
真摯に仕事へ励みたいと思います
本当に近年はスパートフォン・タブレットの普及により
人々のライフスタイルの急激な変化は歴史を塗り替えるほどだと感じます
しかし、こういう時代であるからこそ人と人の触れ合いが大事なのだと痛感します
五十嵐