THE BIG RED APPLEから THE BIG GREEN APPLEへ変化する町、NY
東海岸最大の町ニューヨーク。
今ここでは、2030年をターゲットに、よりGreenで、環境に優しいEco-Friendlyな素晴らしい町に変身させようとする“PlaNYC”という大型プロジェクトに取り組んでいる。土地、空気、水、エネルギー、交通や季候の変化など、6タイプの問題にわけて改良していこうと、町全体で取り組んでいるのだ。
例えば、タイムズスクエアに代表される広告のネオン、NY市民の代表的スタジアムである、ヤンキーズやメッツ球場の電灯を全て省エネタイプのLEDに変えたり、町を走るタクシーや公共バスをハイブリッド化したり、戦後の日本でも多く登場した輪タク(自転車タクシー)まで登場している。
食料品スーパーでは、今まで以上にエコバックの購入を顧客に促しており、顧客が好んで買うようデザインも工夫している。
(こちらはDean & Delucaのエコバック。
値段は10ドルと、エコバッグにしては高いが、オシャレなデザインなので結構売れている。)
レストラン、ファストフード、デリカテッセン、ベーグル店では、客の持ち帰り用のナイフやフォーク、パッケージなどは、土に戻る生分解性プラスチックを使用したりと、様々な試みを行なっている。
町を歩けば、環境に優しい洗剤を使用するクリーニング店やオーガニックの素材を扱うファストフード店、食料品マーケットや化粧品を販売するドラッグストアなどの看板に見られる 「Green色」がやたらと目に付く。
(クリーニング店)
(レストラン)
WHOLE FOODSやTRADER JOE’Sといったオーガニックや自然食を扱う店が並ぶ、市民の憩いの場、ユニオンスクエアでは、月・水・金・土の週4日、“Green Market”という名のファーマーズ・マーケットが開かれている。
朝の8時からローカルでとれた野菜や果物、天然酵母で焼いたパン、産みたての地鶏卵、ハーブや生花、手作りの石鹸などが売られており、大盛況である。
Reuse(再使用)、Recycle(再利用)、Reduce(無駄やゴミ、環境汚染の削減)にRefuse(ゴミや無駄になるものの受け取りを拒否=スーパーなどで袋を受け取らない)が加わり、徹底した4Rと言われる環境対策を、消費者のみならず、商品を提供する店側も徹底して実践する姿勢が、現在のNYでは“VERY COOL”、とっても格好良いのだ。
*以下の写真は、セントラルパークの西側にある“フェアウエイマーケット”の2階にあるカフェでドリンクを頼んだ際、ジャムの空き瓶を利用して飲み物が運ばれて来たのを撮影したものである。奇抜であるが、オシャレだ。
ユニオンスクエアに2005年3月にオープンしたオーガニック・ナチュラルの専門食料品店WHOLE FOODS MARKETや、TRADER JOE’Sには平日にも関らず、多くの人々が並んでいるのに対し、道の反対側にある老舗のグルメ食料品店The Food Emporiumは、WHOLE FOODSが開店した同じ年の5月に改装を行なったにも関らず、閑古鳥が鳴いていた。青果や高級食材が売りのGarden Of Eden Gourmet Marketでさえ、客の数よりスタッフの数の方が多かった(私は個人的には好きな店なのだが、、、)。それはまるで道を隔てて、光が当たっている部分と、影の部分を見るようにはっきりとしていた。
流行に敏感で、ヘルス志向のニューヨークっ子達のハートは、今、一丸となり、“The Green Big Apple”志向へ傾いていることは明らかである。
五十嵐ゆう子
JAC ENTERPRISES, INC.
ヘルス&ウェルネス、食品流通ビジネス専門通訳コーディネーター
2 件のコメント
日頃の仕事や業務に追われ、ついつい見逃しがちな生活の中にも、時々は足を止めて身の回りの自然に目をやる事も大切だと思いました。ひたすら前を向いて走るだけではなく、時には大きく深呼吸をして、視点を変える事もリフレッシュが出来る秘訣かも知れません。
先進国アメリカの4R活動はとてもクールだと思いますし、アメリカの現況がとても参考になりました。
また、ジャムの空き瓶で出してきたハーブ系の飲み物にもとても驚きました。
日本だと実行するには勇気が要りますが、陽気なアメリカだからこそうける、とてもユニークなセンスだと思います。
コメントありがとう御座います
NYを発信に今アメリカではショッピング袋を受け取らない事がカッコいいのです。
ジャムの空き瓶でレモネードが出された時は私も一瞬”これは何の入れ物かしら?”と吃驚しました。
全てにおいて徹底し、セコセコ感を超えて、逆にエコを楽しんでいるアメリカ人を見ていると
ここはやはり開拓者の土地だったんだなと気づかされるのです。