抗酸化作用でブームのグリーンティ
日本では大寒の日、私が住む米国のラスベガスは日中は20度以上という例年よりも暖かな過ごしやすい陽気です。
夏には連日40度を超え、人間バーベキューが焼きあがるかと思うほどの厳しい灼熱の太陽が照りつけるのですが、夏の時期さえ過ぎれば、比較的穏やかな天候です。
近頃、住宅街を車で走ると、沢山の老若男女がジョギングをしているのを目にします。
涼しい冬場とはいえ、時に日差しは強く、年間平均降水量がたった200ミリしかない砂漠の乾燥気候です。
サングラスと帽子を目深に被り、暑くても、長袖を着て走っている人は良いとしても、
全体の2/3に値するランナー達は、帽子も被らずにタンクトップに短パンで太陽の下を走っています。
身体が運動をしている状態は、体内での活性酸素の働きも活発です。
そこに紫外線が加わると、日向でジーと立っている人よりも、身体の酸化が激しいそうで、シミや皺が増える確立も高いそうです。
せっかく健康のために走っているのに、実は下手をすると身体に悪い影響を与えていることがあるのだとすれば、それも皮肉な話です。
さて今回は、アメリカの美容プロダクトでその効能を謳われポピュラーになった、酸化プロダクトである「グリーンティ」について話したいと思います。
健康食品店の入り口に並べられている、美容や健康に関する話題を集めたフリーマガジンには毎回のように、抗酸化作用のある食品や化粧品を勧めています。
よく目にする1つとしては、日本人が昔から飲んでいるグリーンティの抗酸化作用についての効能があります。
欧米では今まで一般的に飲まれてきたイングリッシュティよりもグリンティーを好んで飲む人が非常に増えています。
最初は健康食品店に始まり、近頃はスーパーマーケットやコンビニのドリンクコーナーには、さまざまな種類のグリーンティが並んでいます。
そして飲み物だけではなく、グリーンティ入りのコスメは、癒しを象徴する緑というカラーの効果も伴って、シャンプーなどのヘアケア製品からコスメ、タオルやトイレットペーパーにいたるまで、さまざまなトイレタリー商品にも取り入れられるようになりました。
アクネケアで有名な、芸能人の体験談を売りにした宣伝効果の高い某有名プロダクトも、新しいラインとして、グリーンティ入りのコスメを発売するほどです。
アメリカ人の中には、日本人の肌が美しいのは、毎日グリーンティを飲んでるからだろうと本気で信じている人もいます。
しかし一言述べさせていただくと、アメリカで売られているグリーンティには、はっきりした味を好む彼らの味覚にあうように、たくさんの砂糖が含まれています。いくら抗酸化作用があるといっても、あれだけ甘いものを毎日のように飲んでいれば、歯も蝕まれ、体内は結局、酸性化し、糖尿病の危険性だってあるかもしれません。
コスメも同じで、いくら抗酸化のグリーンティが成分に含まれていても、酸化現象や発ガン性物質である保存量や香料を成分に使用していれば、それでも本当に肌に良いのかな?と首を傾げてしまいます。
その有効成分のイメージにごまかされ、消費者の多くの人が、成分表が書かれたラベルをきちんと読まずに商品を購入していくのも、これもまた皮肉なことだと思います。
しかし、そんなことはお構い無しに、グリーンティブームは、まだまだアメリカで広がりそうな気配です。
五十嵐ゆう子