エアコンの室外機にご注意
夏場の暑い日は、エアコンがオーバーヒートのような状態になり、
機能が停止することがある。
この場合、室外機にホースで水を当てて、冷やすことで、
再起動可能な状態になる場合も多い。
(原発みたいですが)室外機を冷やすことが重要である。
ということで、早速、エアコンについて相談のあった美容室を訪ねた。
その美容室は、一見レストランと見間違えるほどの外観で、
広いガーデンとテラスを備えていた。
しかし、そこは信じられないことにエアコンが利かない理由がいくつもあった。
1.南側がすべてアルミのガラス面になっている
窓の面積が多ければ、
冬は放熱効果が高く、夏は日光を直接受け、熱をまともに取り込む。
またアルミは銅に次いで放熱効果が高いので、
冬は内部の熱を外に逃がし、夏は外部の熱を内側に運ぶ。
2.室外機の設置場所が温室ハウス状態で、
とても高温な状態になっている
室外機の設置場所には、もともと、屋根も壁もなかったらしいが、
雨をよけるために半透明の屋根を設置していた。
しかし、近所から室外機の熱風が来ると苦情があり、四方を壁で囲ってしまった。
当然、室外機は高温な環境にあり、
ヒートポンプ本来の熱交換が難しい状態となる。
これが、故障の最大の原因となっている。
3.1ルームで吹き出し口が6箇所あった空間を、
3つの部屋に仕切っている
スタッフルームと着替えの部屋を小さく仕切り、
それぞれに吹き出し口が1個ずつある。
この2つの部屋は小さく、窓もないため、冷房が抜群に効く。
しかし残りの広大な空間は、能力不足で冷房も暖房も効きが悪い。
4.天井ぶち抜きで、天井を高くしている。
これは飲食店などでよく見かけることであるが、
開放感のある空間を演出するために、設計時の天井をはずして、
配管やエアコンがむき出しになっている状態である。
当然、設計時に計算された空間より大きくなるので、エアコンの能力不足が起きる。
このように、空調の環境は非常に問題があり、
このままでは単に機械を更新しただけでは、
問題があるということをアドバイスさせていただいた。
特に都会では、エアコンの室外機の設置場所に困る。
できるだけ、風通しの悪い場所や直射日光の当たる場所を避けることが必要だ。
室外機の劣悪な環境がエアコンの寿命を短くし、電気代を高くする。
今一度、みなさんのお店の室外機をチェックしていただきたい。
<By 森下兼年>