デマンドコントローラーを知っていますか?
いよいよ、関西電力でも15%の削減の要請があった。
これを電力会社の陰謀と言って、
協力しないと発言している橋下知事は、
これまでのエネルギー・環境問題に対する知見を
勉強していないのではないか?
関西電力に節電15%の根拠資料を要求してるが、
そもそも電力の需要を正確に予測することは、
現在のシステムでは難しい。
そのため、常に安全性に余裕を持たせて計画しているのである。
全地球的に、地球温暖化や化石燃料枯渇の問題があり、
省エネルギーは必要とされていたので、
節電に異を唱えることに、意義があるのだろうか。
さて、スーパーマーケットでは、
前に述べたように電力のデマンド、
すなわち、一年間で最も電力を使った30分間の積算電力量で、
基本料金が決まる。
そのデマンド電力を抑える仕組みが、
デマンドコントロールである。
デマンドのコントロールは、
生産活動に直接関係なく、
止めても事故が起こらない空調機器(以下エアコン)を対象にする場合が
一般的である。
デマンドコントロールは、
リアルタイムの電力計測を行なって、
設定した電力量を超えそうになると警報を出して、
手動でエアコンを止めるタイプと、自動的に止めるタイプがある。
自動的に止めるタイプだと、
部屋の温度に関係なく、電力消費が設定値を超えるとエアコンが止まる。
そのため、お客様からクレームが発生する場合があり、
客商売では問題もある。
大規模な設備では、自動制御により、
輪番で各施設のエアコンを止めていく。
まるで、計画停電である。
ところで、先日調査した医療施設は、
5つの棟がある大規模な施設であった。
しかし、デマンドコントローラーが一つの棟にだけ設置してあり、
夏場は、他の棟のエアコンがフル稼働していて、
デマンドコントローラーが設置されている棟だけは、
いつもエアコンが止まっているのだそうだ。
これでは、特定の棟にいる人だけが暑さに耐えなければならない。
施設全体の各棟のエアコンを、順番に一時休止させる
デマンドコントローラーが本来、必要なのだ。
さて、今週の日曜日にNHK中国で、
中国地方のエネルギーを考えるというテーマの
「熱討ちゅうごく」という討論番組に呼ばれた。
主要テーマは原発の是非であった。
原発のリスクは嫌だというのは当たり前だが、
すぐに代替のエネルギーは用意できない。
エネルギーの枯渇は戦争の原因にもなる。
とても難しい問題なのだ。
<By 森下兼年>