店舗で使えるレベルのLED照明が登場―明るさと演色性能の競争へ
通称ILF、国際照明機器展「ライティングフェア」が3月8日から11日まで、
ビッグサイト西館1階全フロアで開催された。
30%が従来の蛍光灯光源、
10%がEEFL(ラップトップコンピュタのバックライトに使われている)の照明用転用等の光源であった。
予想はしていたが、今年の「ライティングフェア」会場は
メーカーの大小を問わず「LED光源の照明」で埋め尽くされていた。
店舗計画にとって大事な部分の、そのポイントを述べたい。
その照明(光源)が発する光の量で決まる。
Hfタイプという高効率蛍光灯で、
1ワット当りで100ルーメン(光の束、量の単位)の光を出す。
実は1ワット当りで70ルーメン程度しか光を出せなかった。
しかしLED光源は蛍光灯よりも光源面積か小さいので、
そこからでる光を人は眩しく感じて、
LEDは明るいと勘違いしている人が多い。
1ワット当りで100ルーメン以上を出すLED光源が開発され、
試作レベルで市場に出回りはじめた。
そのため、やっと蛍光灯を凌駕して、
店舗でも使えるLED照明が、本格的に発売され始めた。
それを一堂に会したのが今回の「ライティングフェア」である。
店舗に配置され商品を明るく美しく照らすための照明とは、
全く光の質に求められる性能が違う。
ものを照らし、照らされたものを買い求めるための店舗照明には、
商品カラーやテクスチャーを忠実にお客さまに感じていただかなければならない。
光源に照らされたものの「色の再現性」の性能
と考えていただければわかりやすい。
JISを厳密に説明すると、以下の説明と少し違う部分もあるし、
長くなるので、ここでは省略するが、
要は、スポットライトや天井のベースライトの光が
どれだけ太陽光(自然光)に近いかを数値に表したものである。
演色性能が悪いと苺の色や野菜の色がくすんで、美味しそうに見えないのである。
演色性能を表す数値「Ra」が84だ。
色の再現性能はあの光レベルと思って、イメージの参考にしていただければよい。
もうすぐ生産中止になる白熱電球もRaが100である。
注意していただきたいのは、
ハロゲンランプや白熱電球の光の色は、いわゆる電球色なので、
その暖かい色がRaの数値が高いということではないといことである。
一見温かい光の色でも、Ra値の低いものもあるし、
白い光でもRa値の高いものもある。
誤解のないように。
光源の色と蛍光材の関係で、高演色LEDはまだそれほど明るく出来ていない。
今回の展示会での各メーカーの主力製品は、Ra値が85前後で平均していた。
スーパーマーケットを始め、店舗を企画する側にとって、
やっと安心して採用できるものが出始めた。
一通り回って、そろそろ東館の「JAPAN SHOP」へ回ろうかと思っているとき、
あの地震がきた。
揺れがひとしきり収まった後、行ってみると、
天井から下がっている防煙たれ壁の一部が落下し、床に飛び散っていた。
晴海道り、銀座、神谷町、古川橋、目黒駅、目黒道り経由で
午後9:00過ぎに無事帰社した。
多少の愚痴をいいながらも、同僚たちと帰宅を急いでいた。
翌火曜日ぐらいまで脚全体が重かった。
日頃の運動不足を強く反省することになった。