第1巻 岩崎高治の巻[第2回 15の改革」
結城
改革はいつ頃からスタートしたのですか?
岩崎社長
具体的に「改革」と言うことばを使い始めたのは、
2005年から2007年度にかけての第二次の中期3カ年計画からです。
結城
第一次計画は?
岩崎社長
第一次は、2001年から2003年までです。
当時、自分はまだ首都圏の責任者。
専務にはなっていましたけれど、首都圏の事業本部長という立場でした。
近畿圏の営業や管理部門等々に関しては、直接の責任はありませんでした。
首都圏の事業本部の3カ年計画については、しっかりとつくりましたが、
会社全体への影響力を持つ立場ではなかった。
結城
なるほど。
岩崎社長
第二次の中期計画をつくり始めた当時は、
自分が東西の営業の責任者をやっていました。
東西の営業および管理部門の幹部が全員集まって、
みんなで意見交換をして、自分たちの手で作った中期計画でした。
自分たちの意見が反映されているんだから、
やらなきゃいけないんだという、
そういう計画を作ったわけです。
その中で具体的に落とし込んだのが15の計画です。
結城
15の計画。これは有名ですね。
岩崎社長
改革の項目を15に整理をして、
「誰が、いつまでに、何をやるのか」
ということを、実行していきました。
結城
その中の肝(キモ)になるものは何だったんですかね?
岩崎社長
15の改革は、15それぞれテーマがあって、
物流だとか、情報システムだとか、商品だとか、
いろいろテーマはあるわけですけれども、
それを大きく、くくっている考え方は2つです。
★店舗の競争力と生産性の向上を柱にした15の改革
ひとつは「店舗の競争力をあげましょう」ということ。
お客様がライフに買い物に来てくださる、
そういう競争力のある、魅力のあるお店になろう。
これが一つの柱です。
岩崎社長
もう一つは生産性を上げよう、生産性を向上させよう。
どんなに競争力があっても、
それがコスト倒れに終わってしまっては経営としてなリたたない。
具体的には、任事の生産性を上げる、
あるいは坪当たりの生産性を上げる、
またはコストを下げる。
こうした切り口で生産性を上げる。
「競争力」と「生産性」を両方とも向上させる。
両立させるという考え方に基づいて、
それぞれに落とし込んでいったのが15の改革ということになります。
結城
競争力を上げ、同時に生産性を向上させる。
非常に重要なポイントだと思います。
競争力のあげる方法のなかで、肝になる、一番のポイントは、
どれだったのでしょうか?
岩崎社長
それぞれ15個のテーマ全てが、競争力、生産性に絡んでいるので
どれか一つということではなかなか難しい。
結城
全部絡んでいるわけですね?
岩崎社長
全部絡んでいますね。
あえていえば、一つは店舗ですね。店舗の改革。
これは全店の全売場を見直して、
適正な売場面積、部門ごとの売場面積に変えて行くという計画です。
老朽化したものを改装して新しくして競争力を高めると言う場合もありますし、
売場面積を広げると言うこともあります。
つまり、店舗の改革を進めて、お店の競争力を高めていくということです。
もう一つは商品の改革。
お客様が求める商品を、
求める時間帯に、
求める売場に品ぞろえし、
適正な価格で提供させていただく。
そのために、競合他社との商品の食べ比べ、
競合他社の価格の調査や見せ方、売り方、
そういったものを徹底的に検証して、
改善につなげていこうと、進めました。
結城
売場の改革というのもありましたか?
岩崎社長
そうですね。
先程触れたように、店舗の改装によって、売場面積を変更したと言うこともありますし、
不採算部門の見直しや、なかなか利益の挙がらなかった部門を、
統廃合することなどにも取り組みました。
結城
店の改革、商品の改革、売場の改革
つまり現場の改革をしようと、
こういうことだったんですね。
<続きます>