[第3回] POPの整理の必要性
責任者はだれ?
中山政男
企業は、一度、自社のPOPを整理してみると気づくこともあると思います。
POPでもショーカードなのか、プライスカードなのか、
コーナーを知らせるトップボードなのか。
一番問題なのは、これを管理しているかどうかです。
結城義晴
売場主任なのか、店長なのか、販促担当なのか。
中山
例えば、店内にPOPマシンがある店に行きました。
各売り場担当者がそれぞれでPOPを作っている店です。
そこに、紙を4枚くらいつなげた、長尺POPがありました。
作っているのを見ていたら、30分くらいかかっている。
1枚30分も時間をかけ、
さらにそれに色づかいや文字数を多くすると、
際限なく費用がかさんでしまう。
結城
そうですね、人件費も含めるとそうなりますよね。
中山
そういったことを、責任者は果たしてどこまで把握しているのか、
と思うわけです。POPづくりは、そこが後回しになってしまっている場合が多い。
結城
その意味では、売上至上主義になっているんですね。
言葉の氾濫
中山
ある店では平ケースにスタンドPOPが羅列されていました。
そこには、「超特価」、「お買い得」、「おすすめ」…
あらゆるタイトルのプライスカードが取り付けられていまして。
結城
言葉が氾濫してるんですね。
中山
これでは何が言いたいのか、伝わりにくい。
1枚1枚、POPをつくる時に、
「何をどのタイトル、キャッチでつくって売るのか」
ということが細かく浸透してないように思う。
とにかく色を使って、デザインを変えよう、目立たせよう、
ということばかりに気が向いてしまって。
だからそのデザインにも統一性もなくなってしまいます。
結城
本当ですね。基本の考え方がない。
中山
取り付けも、重なって商品名や価格がかくれてしまってたり、
大きさが商品に合わなかったりする。
こういったことが、ここ5年くらいでしょうか、
特に顕著にみられるようになった。
結城
非常にもったいないですね。
<この売り場は、各POPの制作から取付けまで、管理が行き届いている>
つづく