[第11回] POPの整理の仕方
売り場のPOPを全部とれ!
中山政男
それでは、どう改善したらいいのかと聞かれたら、
私は一番初めにまず言いたいことがあります。
「売場のPOPを全部取ってみてくれ」と。
結城義晴
そうですね。
まず全部なしにしちゃって。
中山
全部なくしてから、
最低限必要なPOPを考えていけばいいんじゃないかと思うんです。
それを逆に、どんどん、どんどんつけ足しているから、
売場がすごい状況になるんです。1つのPOP紙面の中でさえ、
あれも言おう、これも足そうとなるからゴチャゴチャになる。
結城
1枚のPOPの中にあーだ、こーだと項目があるうえに、
それが店中に氾濫しているわけですからね。
なんだか、売場にはある種の幼児化現象が起こっているように思われますね。
中山先生はこの道50年ですから、腹が立つでしょうね。
私なんか、驚き、あきれるばかりですけど(笑)
中山
とにかく、POPの効果を考えていないように見える店は、
もったいないと思っているんです。
同じ内容のPOPを複数枚、貼り続けても、
お客はそれに慣れてしまえば、驚かなくなってしまいますよね。
POPを有効活用しよう
中山
POPは目的を明確化して、
もっと有効に使ってほしいと本当に思うし、
POPをつけすぎることで、
ショーケースや売場の上品な雰囲気が消えてしまっている。
売場全体がPOPだと考えてほしいんです。
陳列の仕方だけでも、購買意欲を引き出せることがあるわけですから。
結城
大きな部門があって、コーナーがあって、
カテゴリーがあって、アイテムがある。
それぞれに、POPは整理されていなければならない。
中山
入り口から出口までの情報ツールは、どんなものが、何種類あるのか。
見直してほしいですね。
結城
店のファサードのロゴから始まっているわけですからね。
中山
業績のよい企業は店頭の掲示板に
情報案内がきちんとできている。
だいたい入り口の管理がいい店は、
POPも商品も、適切に管理されているんです。
企業規模によるPOPの違い
結城
どれぐらい店内にPOPがあるんでしょうか?
1万品目あるとして…1000枚ぐらいあるのかしら?
中山
あるでしょうね。
売上げが低迷してくると、何とかしなければと、
店舗サイドで、まずPOPを作ろうということになって、
結果、増えていくということもありますから。
結城
取りつけたり、はずしたりする作業コストを考えると大変です。
エブリデー・ロープライスはその意味で、低コストですね。企業のスケールでいくと、いかがでしょう。
イオンやイトーヨーカ堂、リージョナルクラスは、
まずこうした傾向はないですよね?
1000億から2000億クラスのローカルチェーンはいかがですか?
中山
少ないでしょうね。
もちろん企業によりますので、規模だけではっきりとは分けられませんが。
それ以下のクラスで見られるといえば、そうでしょうか。
業界誌の影響も大きいんでしょうね。
良い意味で、頼る傾向にありますから。
結城
業界誌の影響ですね。
中山
確かに店で一生懸命書いて、それがお客に受けることはあります。
ただし、毎日の業務ですから、疲れてくれば続かなくなります。
結果として、取りはずしまで管理がいきとどかなくなって、
そのまま売り場に残ってしまうこともある。
結城
POPの氾濫傾向は、
しばらくしたら是正されると思っていたんですが、
そうでもないんですね。
中山
たしかに見直しをしなければと思い始めた企業もあると聞いていますが、
残念ながらまだまだ。
売上げが悪くなると、POPを増やす傾向も残っていますね。
ショーカードで欲しい情報が何か、お客の立場で作ってほしいと思います。
結城
商品部はわかっているんでしょうけど、
現場が勝手に、無責任にショーカードを書いてしまう。
しかも正しい知識に基づいたコピーでもない。
どうにかしないといけませんね。
<内容が伝わりやすいことを第一に考えて表示している>
つづく