消費者に到達するには・・・
渋木克久です。
結城ゼミ第二期生、全員無事に
修士論文、調査研究レポートの提出が終わり
ホッとしております。
久しぶりのブログ投稿です。
先日(1月19日)の日経MJの一面は
「外食『お届け』に走る」。
日本マクドナルドのデリバリー・サービスの
スタートが取り上げられていました。
「えっ、マクドナルドが配達?」と思われるかもしれません。
しかし、紙面にもあったように、McDonald’s社はすでに世界の
他国・地域でデリバリー・サービスの実績を持っています。
Kotabe&HelsenのGlobal Marketing Manegement 第5版は
Business Week誌の2007年7月23日の記事を引きながら
McDonald’s社のエジプトでのデリバリー・サービスを紹介しています。
1995年に始まったエジプトでのデリバリー・サービスは
いまや同国のMcDonald’sの収入の27%を占めるとされています。
交通渋滞が激しく人件費が低い都市で
このモデルがうまく機能するようです。
McDonald’s社は特定国・地域でのイノベーションを
世界展開させる仕組みを持っていることがわかります。
さて、なぜ日本でデリバリー・サービスなのでしょうか。
元来、日本の外食産業では「ドミナント化」が
利便性を高め、消費者に到達する方法でした。
しかし、人口減少高齢社会の到来で
店舗で待っているだけでは消費者に到達できなくなってきた
ということかもしれません。
Amazonの成功を見ればわかるように
現在のビジネスの成否を分けるのは
「物流」であるといっても過言ではありません。
その意味で、McDonald’s社を始めとした
外食各社のデリバリー・サービスは
大きな可能性を秘めているといえます。
しかし、調理済み食品は書籍やエレクトロニクス製品のように
注文から配達までの時間差に対して寛容ではありません。
外食はこの点をどのように克服できるのか。
そこがコンビニの中食との勝負を決める要因と
なるのかもしれません。
<渋木克久>