「コンピュータリテラシーとは」(第1回) RMLC2008年8月報告
「ポストまちづくり三法の商業開発」(高木さん)
「流通革命の残したもの」(品川さん)
と本会世話人企画による研究会を続けてまいりました。
今回から當仲さんによる「コンピュータリテラシー」をテーマとしたクールに入りました。
結城座長が商人舎で企画、推進しておられる「オーガニック&ナチュラル」「エコストア」など各種研究会の一つである、「IT問題」が當仲さんをリーダーとしていることから、合同開催の形をとりました。
項目など詳細は添付を参照ください。主に下記3つの視点でお話いただきました。
(1)”(物事の動かし方や工程間の有機的なつながりを指す言葉である)「システム化」=(”大量”のデータを”速く”処理するツールの導入でしかない)「コンピュータ化」”
この大間違いに多くの流通関係者が気付いていないこと。
(2)お客と最も近い場所(店舗)でのビジネスを行っているため、生来的に純朴、誠実な世界で仕事をしている小売業者と、真逆の世界の住人(つまり、ほとんどが過大なセールストーク)であるコンピュータ関連サプライヤーとの情報ギャップが、結果的に小売業に、無駄な投資と仕事をつくっていること。
(3)(1)(2)の理由が、小売業側における(コンピュータに関する)「リテラシー欠如」であり、受け取る側(つまり小売業)のリテラシー形成が”真に役に立つ、エンドユーザーである生活者の利便につながるコンピュータ使い倒し”につながる。
以上のお話を聞いて、私見ですが、実はこれからの流通革命につながる予感を感じました。
かつて、関西スーパーが、
ケースメーカーとともに米国から学んだオペレーションシステムを、
生鮮業務システムに置き換えて、
我が国の生鮮オペレーションシステムの原型と普及に貢献したというのは周知ですが、
この間、勉強会グループであるAJSのニッショー、サミットなどへの移植、定着にとどまらず、
各地の有力SM に、その知識とノウハウが波及、学習されたことが、
現在の日本の生鮮システムを作ったプロセスに近いものが、
ITにおいても、行われることが期待されます。
思えば、当時の関西スーパーが生鮮業務システムの他企業への公開や研修の受け入れは、
いわば、UNIXにおけるリナー氏に近いものでは、とも思います。
IT問題においても、當仲氏の問題提起やUSP研究所の活動はそれに近いものとも思います。
これからの研究会は注目です。
同会では、プラネットの玉生氏も参加されました。
商業界のITセミナーや商人舎の研究会でも活動されている方ですが、
当日は、EDI事業の先駆けでもある同社の事業の紹介、
および現況の受発注システムの問題点について、問題提起をしていただきました。
今後の研究会のレギュラースピーカーとして、さまざまな発信をしていただけると思います。
「食品商業」編集長 山本恭広