スーパーマーケットの競争力強化の視点 vol.3
第3回 週間販促計画にみる効率的な組織運用Ⅰ
製造業では、プロセスモデルを設計して分業化を行ってきたが、小売業では、プロセスモデル抜きで、分業を行ったので、処理方法および、結果の標準化が進まず、分業の効果は上がらなかった。
また、マネージャーの役割も抽象的段階にとどまり、効果的な役割り行動には結びつかなかった。
世界に冠たる、トヨタの生産ライン、看板方式は、組織計画の産物である。
自社内はもとより、内部納入の関連企業まで、まず精緻なプロモスモデルを設計し、担当を割り当てたのである。
サミットは、昭和40年代の後半、看板方式のジャストインタイムの概念による逆算方式に従って、プロセスモデルをつくることから改善を始め、2~3年の間に組織体質を一変させた。
「決め事の遵守」と「プロセスの分業」が当時の合言葉であった。
組織計画を効率的に運用すると、組織能力が向上することは次のように説明されよう。
■週間販促を事例としたプロセスモデル
週間販促計画(チラシ販売を中心として)具体例として取りあげてみよう。
週間計画は少なくとも2カ月前には、その概要が販促部から示されているのが一般である。
概要とは、4週間(1カ月分)の各計画の主テーマ、及びサブテーマを、チラシ紙面のスペースを分配して示される。テーマは、社会行事、季節性向、消費者のライフスタイル性向などから選び出される。
概要は、販促部、商品部、店舗側のマネージャー達が出席する会議で協議された上で決定される。
ここで大切なことは、この計画で売上予算達成の見通しである。
販促と定番の売上構成比は過去実績により部門別、カテゴリ別に基準値が定まっている。
従って、販促は予算コントロール上、操作可能な最有力手段となっている。
各マネージャーは、自部門の予算達成の見地にたって発言をする。概要案は、予算の見地から検討された上決定される。
決定された概要計画は商品部に示され、各担当バイヤーは、仕入先(生産者)との交渉仕入れに、アイテム及び売価の商品部案が決まる。
商品部案のラインアップと売価は商品部内に充全な意見交換が大切なことは、当然である。