スーパーマーケットの競争力強化の視点 vol.8
第8回 組織の変容 まとめ
改革を進めるためには、組織の変容が必要な場合が少なくない。
しかし、組織は、説教や説得で変容することは、まずないといって差し支えない。
改善、開発の成功を積み重ねるうちに、変容していくのである。
■プロジェクトリーダーの権威
したがって、改革を成し遂げるためには、
初めのプロジェクトは成功させなければならない。
プログラムのリーダーの選択は、特に慎重に行われるべきである。
リーダーには権威が求められる。
ここでいう権威とは、過去に実績をもち、人望のある人ということである。
権威者か権力者(職制の地位にある人)である場合、それにこしたことはないが、
権力は握っていても、権威を認められていない人物をリーダーにすると逆効果となる。
権力による強制には、反発が高まるからである。
適任者が見当たらない場合、社長が自ら、実施リーダーになってでも、
一番目のプログラムは成功させることが肝要である。
プログラムが成功した場合、関係者を褒賞することも大切である。
褒賞は個人に与えてもよいが、グループを対象とする方が、
組織変容には効果が大きいといえよう。
■■成果の積み重ねが組織体質を変容させる
以上を要約すると、明確なコンセプトに基づくマスタープランを作成し、
そのコンセプトおよびマスタープランの内容を、
中堅幹部以上に分かりやすく説明することが、スタートである。
次いで、自社の体質でもこなしやすく、
比較的短期に、数値で表せるような成果が確認しやすいプログラムを選び、
最適任者をプログラムリーダーにして、関係者に成功を味わわせる。
第1のプログラムの成果の兆しが見えたら、可能ならば同時並行的に、
不可能な場合はプログラム終了後、
直ちに、第2のプログラムをスタートさせること。
プログラム進行中は、新課題を忠実に実行させることが最も大切で、
それが、リーダーの最重要役割である。
ただし、権力を笠に、高圧的に強制すると逆効果である。
なお、プログラムが成果を収めた時には、適切な褒賞を与えること。
以上のような、開発、改善の成功を積み重ねているうちに、
組織体質は変容していくのである。
<次回は「企業文化」について述べていただきます。—-事務局>