スーパーマーケットの競争力強化の視点 vol.16
第16回 コンセプトの効用―組織力向上の為に
■企業組織においてのコンセプト
チームを組織と置き換えても同じである。
企業組織においても、何らかの施策を打ち出すに当たっては、計画段階においても実施段階に移るに際しても、コンセプトを可能な限り明確にすることが肝要である。
なお、コンセプトは少なくとも1度は文書化しておくことが大切である。文書化することによって、キーポイントが見えてくる。また重要な欠落に気がつくこともある。など、コンセプトはまとめ役の訓練に役立つ。
施策の計画段階においては関係者の間で激しい議論が交わされることも少なくないであろう。そんな時、文書化されたコンセプトを引き出してみると、用語の意味の解釈にずれがあることなどが発見されることも少なくないであろう。ずれを発見することによりコンセプトの認識が議論する双方に深まることが期待できる。またコンセプトそのものの調整が必要になることも考えられる。
実施段階では特に現場作業に追われることの多い人達は一度説明を聞いて分かったつもりになっても、時間が経つと、何がどうして分かったつもりになったのかが分からなくなっていることが少なくない。
このような事態の時、コンセプトの理解を深めてもらうためには文書化されたものが必要である。
さて、ここまで見てきたように、コンセプトは組織能力の向上に役立つが、コンセプトを使いこなすためにはコンセプトのまとめ方、施策計画の立て方、実践活動の中でそれぞれコンセプトの活用のための練習が必要である。コンセプトの活用に慣れると、改善開発のスピードが上がり、コンセプトの効用はさらに高まるのである。
次回は、これからのマーケティング上の重要コンセプトについて等を進めてみる。