スーパーマーケットのマーケティング Vol.7
7. 使命を果たせなくなった企業は存続できない
■レゾン・デートル
企業は使命を果たすことによって、その存在意義が社会から認められる。社会に認められた企業の存在価値を「レゾン・デートル(存在理由)」という。
スーパーマーケットは顧客の食生活の向上に貢献することにより、「レゾン・デートル」が成立しているのである。そしてマーケティングとは、社会(顧客)に企業の「レゾン・デートル」をより広く、より深く認知してもらうための企業活動の総称である。
したがって、現在活動している企業は、それを意識しているか否かにかかわらず、マーケティングを行っているということになる。
ただし、それを意図的、計画的に行っている活動と、無意識、無計画のうちに行われる活動とでは、結果に大きな差が出ることは言うまでもない。
■マーケティングの戦略課題
また、マーケティングの戦略課題は時代の推移、産業システムの変化に伴って、当然変わっていく。
わが国のスーパーマーケット産業はもともと、大量仕入れによるコストダウンをメリットに、価格の安さをスローガンにし、セルフサービス、ワンストップショッピングによる買物のしやすさを顧客にアピールして登場した。次いで、鮮度管理を中核にする業務システムを整備して成長期を迎えた。
折から国の経済の高度成長期と共にモータリゼーションの影響や、コンピューター技術の進歩の結果としての情報革命の影響もあり、立地戦略、マーチャンダイジング戦略も大きく進展して顧客の食生活の向上に貢献してきた。
そしてこの産業が、今、新しい転機に遭遇していることは衆目一致するところである。
スーパーマーケット各社はこの時期を克服していくために、いかなる戦略課題をクリアしていかなければならないのかを検討すべきである。
続きます