スーパーマーケットのマーケティング Vol.8
2011年01月07日(金曜日)
8. チェーンストアの転機
■導入期から成長期へ
思い起こすと、半世紀の間に我が国のチェーンストアにも、業種・業態的に何回かの転機があった。
チェーンストアの中で最初に導入期から脱皮して、成長期を迎えたのは、衣料品に重点をおいていた企業であった。西のダイエー、東の西友などが代表選手であった。これらの企業は、当時ビッグストアと呼ばれ、現在は業界内でGMSと呼ばれる衣食住を総合した店舗構成で、順次大型化した店舗を全国各主要都市に出店して、急成長を遂げた。
我が国で、最初にショッピングセンターを開発したのも、ビッグストアであった。また、コンビニエンスストアの大手もほとんどビッグストア企業の子会社として出発している。
ビッグストアは、我が国の産業の高度成長期の落とし子の感がある。バブル崩壊後、登場が少し遅れたホームセンター、衣料品量販専門店にシェアをおびやかされ、成熟期も終わり、衰退期を迎えている。
以上、大変大ざっぱな見方であったが、チェーンストアの転機があることの実例である。転機には、いわゆる「事業のライフサイクル」といわれる業界全体の変化もあるが、企業ごとの何かの“きっかけ”によるものもある。
また、産業全体、経済全体的な時代的変化もある。多くの場合、我々が意識する転機とは、これらがかみ合った変化のことであろう。
続きます