スーパーマーケットのマーケティング Vol.31
31.新プロセスモデルのたたき台
■既存プロセスモデルのどのプロセスを変えるか
さて、状況により、また課題により、トータルイメージの共有化、目標設定の仕方も違うことを縷々述べてきた。この課題では具体的にはどうすべきであろうか。
自分達で方法を見つけ出さなければならない。だから試行錯誤的問題解決というのである。
最初のステップは企画部で(企画部ではなくても差し支えはない)議論のためのたたき台を作成する。たたき台は、営業トータルシステムのプロセスモデル(簡略化したものでもよい)を利用するとよい。(他にもっとよい方法があるかもしれないが)
プロセスモデルのどのプロセスを変えるか、新しく組み入れるかなどを検討しやすくするためである。
たたき台を使って討論を行えば、品揃えを変えてカスタマイゼーションをはかる全体の構造が浮かび上がる。つまり、トータルイメージが紙上に浮き上がるのである。
効果的なたたき台をつくり、提案を交えて数人のグループで討論を行えば、トータルイメージはかなり鮮明になる。その過程でどのプロセスに設定すべきかが自ずから分かってくる。討議が一回では不十分な場合は、2~3回繰り返せば、所期の成果は得られる。トップとミドルなど複数のグループで検討し、両者をドッキングすれば、より鮮明度の高いイメージが出来上がり、共有化のレベルも上がるはずである。
要は、関係者全員の知恵を結集することである。個々人は知恵を出し、責任者はそれらの知恵を結集するための知恵をしぼり出すことが肝要なのである。
■コンサルタントの活用
試行錯誤的問題解決に不馴れな組織では、コンサルタントを活用するのも1つの知恵である。
しかし、コンサルタントに任せてはならない。問題解決を行う主体は組織である。問題解決を効率的に行うために手伝ってもらうのである。したがって、手伝ってもらう内容、目的、方法は、依頼時に組織側から明示しなければならない。もちろん依頼時に相手と話し合いの上、調整するのは当然のことである。話し合いの上、自分の役割を決められないコンサルタントは、2流以下のタレントに過ぎない。コンサルタントに役割を決めさせるためには、組織も知恵を使わねばならない。
続きます