視察アポと現場対応能力
ラスベガスから、テキサス、オースティンに来た。
地の果てだ。
いや実はそうではなかった。
ここはテキサスの州都、5万人の学生の街、ミュージック・キャピタルと呼ばれ、美しい、全米で住みたい街のナンバーワンである。
1月13日のブログの中で、H-E-Bがアポは取らないことを書いたが、
今日、1月23日、店長、Ms.Linda (Director of Store)との質疑応答に成功した。
これを現場対応の能力という。
昔、決してウォルマートの店長アポは取れなかった。
しつこくやっても、本社に電話をしても無駄な抵抗であった。
シカゴ郊外の店舗での出来事である。
店長を見つけると、見事なマチョマン・筋肉マンであった。
体重は100キロ位だろう。背はあまり高くはない、180センチ無いかもしれない。
私は声をかけた。
「ヘイ、ビッグマン、俺は元日本の空手のチャンピオンだ。?
君のような体格を見ると、無性に腕相撲を挑戦したくなる。
ところで日本人のオールド・マンの、俺に勝てるか?」
若くない171センチ、70キロ、アメリカでは明らかな小男の部類にはいる。
彼の顔がたちまち赤くなり、目がつり上がった。彼はうめく様に叫んだ、
「カモン,Let ‘s do it.やろう」
「まて、勝負には条件がある。」
「俺が勝ったらこの店の写真を取らせろ、インタビューに応じろ?」
「俺が負けたら、このグループが、たくさんショピングして金を使う。」
「OK?」
「ヨシャー」
しばらくは互角の戦いだった。??
これでもアメリカの大学では100キロを越すレスリング部の連中を、
腕相撲でバタバタと負かした経験もある。
今回は、やがて負ける。
あれから30年の歳月は流れている。それは当然の結果であった。
私の無謀な挑戦・勇気に、彼はついに大笑いをした。
「お前はいい男だ。」
「何でも言うことを聞いてやる、今、コンピューターのデーターをコピーしてくる。
すべての数字を教える、店の写真も取っていい。」
ようするに、アメリカ人は、本当にアホが好きなのだ。
(これは美女の場合も当てはまる。??)
「イヤー、ほんとうか?それでは本社の意向、ルールに逆らうことにならないか?」
「心配するな、この店は俺がボスだ。好きにやる。」
基本的にアメリカは個店主義である。
店長の権限は非常に強く、自由采配が大きい。
各店ごとに顧客にとってベストなことをすれば良いのだ。
本社だけを見てはいない。
さて、H-E-Bの後は、H-E-Bの経営するセントラル・マーケットに行った。
リチャード・ギアに似た美男子の店長が、わざわざ説明に来てくれた。
430名の大型店の店長が、日本のグループに説明にくることは少ない。
前回、リチャード・ギア、そっくりと私が言ったことが社内で評判になり、彼は非常に喜んでいた、と後で聞いた。
もちろん、彼がどんなにハンサムか、人前で大いに賛嘆した。
誰でも褒められるのはうれしい。
その賛嘆の言葉を聞きに人は来る。店に来るのだ。
物を買いに来る?そんなレベルの話してはない、
貴方の賛嘆の言葉を人は聞きに店にくるのだ。
物を売っている、それは20世紀の小売業の話だったそうだ。
浅野秀二
1月23日