世界一のランの花栽培・松井ナーサリー訪問
今日は日曜日。
今回のリーダーは桑原社長、山梨盛和塾代表世話人でもある。
シリコンバレーの塾生企業、松井ナーサリーと山ちゃんラーメン訪問となった。
松井さんに連絡をすると、
サンフランシスコ空港まで自家用飛行機で迎えに来ると言う。
「ホテルまでリムジンが来て、
それから私が皆様を私の農場まで飛行機でご案内をします。」
一瞬言葉に詰まった。
確かに米国生活30数年の私は、農家の経営者が自家用ジェットで、
自分の農場や都市を自由に移動することは知っていた。
しかし、それは他人の話で、長い間、自分の身近な話ではないと思っていた。
日本に連絡すると、桑原社長は絶句。
「浅野さんどうしましょうか?」
「いや、そういわれましても?」
明らかに戸惑いが感じられる。
「どうしたら、お礼が出来ると思いますか?」
「お土産に富士山でもあげてください。」
そう答えるしかない。
では
「富士山の写真を持っていきます??」
「それで行きましょう??」
松井さんは47年前、わずか1万円をもってカリフォルニアにやって来た。
徒手空拳からの成功物語は、今では伝説的である。
子供は4名全員ハーバード卒。
一人のお嬢様は日本で活躍する、
ゴールドマン・サックスの副社長、キャシー松井女史である。
文芸春秋、日経新聞、ダイヤモンドなど経済雑誌でご存知の方も多いと思う。
松井ナーサリーは、今は世界一のラン栽培農家である。
農場の広さは36ヘクタール、1000坪のハウスの数が約50棟。
年間350万鉢を出荷し、カリフォルニア市場の25%のシェアを占めている。
ラン栽培は、60歳過ぎてから挑戦したと言うから、
驚きを通り越して怪物?
失礼。
いや、今でも青年のように走る。
若干73歳、どう考えても50代にしかみえない。(写真をご覧ください)
トレーダー・ジョーズのラン販売の仕掛け人でもあり、
コストコ、セーフ・ウェイなどにも卸している。
トレーダー・ジョーは「仕入れの50%以下の掛け値(薄利多売)」、
セーフ・ウェイは「卸値の約2倍」、コストコは「輸送コスト+卸値、花で客寄せ」と聞いた。
ランの売り方でも会社の方針がわかる。
世の中、金持ちはたくさんいるが、松井さんはそれだけではないのである。
サリナスに住む、メキシコ系農業労働車の子弟を中心に、
金が無くて大学に行けない若者に、
奨学金は一人年間、一万ドル、4年間で一人あたり4万ドル。
毎年それを新規に十数名、一年間に8000万円程度提供している。
今までに47名が恩恵を受けた。
今年は13名。
今後、財産150数億円すべては、松井基金を通じて人創り・奨学金に寄付をする予定という。
この偉大なアメリカの大地が生んだ偉人に同行した桑原社長の息子は平凡な20歳の大学生。
お父さんに連れられて特別興味もないアメリカに来たようだ。
私は、この数日で、彼の目の色が少しづつ変わってきたことを、感じていたが、
松井さんとの出会いは、決定的なショックになったようである。
最後に彼はニコッと笑って「またアメリカに来たいと思います。」と言った。
この大学生の言葉に目頭が熱くなった。
私は本当に良い仕事を選んだ。
日本の若者よ、フリーターなどしている暇などない。
世界は君たちの挑戦を待っているのだ。
日本を飛び出せ、日本はいつでも帰れる。
その後、飛行機でサリナスから再びサンノゼ空港まで送っていただいた。
空港には、シリコンバレー盛和塾代表世話人、山下さんが待っていた。
塾生と昼食をとる。この人たちの笑顔がたまらない。
その後、アメリカのラーメン巨大市場を狙う山下さんの工場見学。
家族5人が、力を合わせて努力する姿は、古い、忘れかけた日本の良き家族と
家長・山下氏のカリスマを見た。
その本質は優しさである。
盛和塾の皆様、ありがとうございます。
浅野秀二
2月9日