サウス・ウエスト・ガス社幹部の訪日
世界で一番美しい日本、日本で一番美しい桜の季節に、
サウス・ウエスト・ガス会社、
幹部3名と彼らの奥さんを日本に連れて行くことになった。
京葉ガス社の公式訪問である。
私は以前にも書いたが、京葉ガスの米国研修を扱って20年ほどになる。
ガス会社は小売業と何も関係のないように考えられるが、
必ずしもそうでもない。
ガスという差別化出来ない商品では、
東京ガスのような大手には価格の上でも、規模の上でも絶対敵わない。
また、異業種である東京電力のようなオール電化の時代、
地域独占企業であっても、激しい競争にさらされている。
実はサウス・ウエスト・ガス社もまったく同じである。
顧客満足度96%の超優良企業である。
双方の目指すものは同じ、サービスの向上である。
私の仕事と大いに関係がある。
この準大手日米のガス会社には、多くの共通点があった。
会社の規模約1000億円、従業員1200~300名、100年近い歴史、などなどである。
4月09日に到着、10日は終日、京葉ガスの社長以下、全員の幹部が揃い。
双方のプレゼンテーションや会社案内、夕食会など、精力的に仕事をこなして、
いよいよ11日、のぞみのグリーン車で姫路に向かった。
騒音のない、スムーズな乗り心地。
途中子供のようにハシャイで、雪を抱いた富士山の写真を取ったり、
幕の内弁当のおかずの種類の多さや、健康食であることに、感心したり。
午後1時過ぎに姫路城に到着。
城の見事さ、満開の桜、
桜の下で宴会をする人々、
やはりあらためて日本の春の美しさに感動。
彼らも平和で桜・美を愛する日本人がとてもよく理解が出来たようだ。
その後、瀬戸大橋を渡って、
阪神大震災の淡路島の野島断層見学。
彼らはガス会社の人間であり、地震には非常に興味を示した。
その夜は有馬温泉。
金髪の2名の奥様方は、最初は温泉に入ることには、抵抗を示した。
浴衣を着て食事に行くのも恥ずかしそうであった。
でも夕食で焼酎を飲んだ勢いもあり、夕食後温泉を体験・楽しんだようだ。
翌日は、法隆寺、東大寺、清水寺。
ホテルは会員制の高級ホテル、八瀬離宮。
有馬温泉でも、八瀬でも、日本の色彩の豊かな山々、川のせせらぎに、
心を奪われたようである。
13日は京都御所の外人向け・英語のツアーに参加、すごい人数であった。
昼食は高級料亭の日本食。
食後は、ガスのバルブを作っている藤井合金製作所を訪問。
6名の藤井姓幹部の出迎えがあり、
英語の好きな77歳の社長が流暢な英語で説明してくれた。
2時間コースを45分に短縮、本当に失礼をしました。
急いで新幹線へ。
東京のお別れの宴は、浅草近くの焼き鳥屋へ。
京葉ガススタッフの奥さんの経営をする店で、日米16名で宴会をした。
ママさんの計らいで、津軽三味線のプロと民謡、
今は珍しくなった本物の浅草芸者の挨拶と踊り、
日本舞踊のお師匠さんの踊り。
津軽三味線はアメリカのバンジョに似ていると言われ納得した。
お互い酒を組み交わして兄弟の縁を結ぶなど、
今までの高級レストランでは出来なかった、
素晴らしい打ち解けた交流となった。
翌日は、京葉ガス創業者、菊池寛実氏のコレクションの美術館を、
孫娘の菊池節女史の完璧な英語で案内をいただいた。
そして日本に来て初めての小雨の中、成田へ。
雨の離別もまた情緒がある。
『日本の何が素晴らしかった?』
私は姫路城の美しさと桜の見事さ、
東大寺の大仏の威容、そのような答えを期待していた。
ところが?
『京葉ガスの人々・日本人の心の温かさ、優しさ、親切、気配りに涙が出た。』
『わずかな時間であったが、藤井ファミリーの家族経営の素晴らしさ、
仕事に誇りを持っている姿に心から感動した。この時日本にいることを実感した。』
『貴方の日本史の知識、韓国や中国との関わりあい、戦前、戦後の日米関係、
経済、社会、それが一番楽しく勉強になった。』
自慢、失礼をしました。
この3つは事柄は、何度も何度も、6名のすべて人から言われた。
ようするに、日本の美や自然の美しさに、もちろん感動はしたが、
究極は人の心に感動したと言うことであった。
彼らは日本の知識はなかったが、インテリであった。
法隆寺が朝鮮半島の影響を受けたもの、
京都御所は、中国、唐の都のコピー、
姫路城、皇居は日本オリジナルな美、
日本の城郭美は、これは世界のどこにもないと感動をしていた。
東京は今IOC国際オリンピック委員会のメンバーが来ている。
赤坂離宮・迎賓館が使えるか?話題になっていた。
ベルサイユ宮殿のコーピーに、どこに価値があるか?
コピーはコピー、
店で売られているコピー商品は排除される。
本当に東京にオリンピックを誘致したければ、
日本独自の美や、心が構えで勝負しないといけない。
オーケストラやフレンチ料理や、イタリアン料理の提供は感心しない。
津軽三味線、日本料理、蔵前国技館で勝負・誘致?
明朝は八角部屋に訪問、郷土出身の力士、隠岐の海(十両)の応援・見学の予定である。
浅野秀二、4月15日