エンターテイメント スピーチ
―私のアメリカ体験と今感じていること― スピーチ続編
それから寮を出てホームステイすることになりました。アングロサクソン系のお金持ちのニクソン大統領も挨拶に来たようなうちです。
奥さんが、私が来たら喜んで、ついにジャパニーズが現れた、ものすごく嬉しいと。
日本人は借りたものを返す。
日本人以外はホームステイをさせない。他の人種は誰も返さない。日本人だけが借りたものを返す。
日本人の借りたものを返すと行為がアメリカで高く評価されていたので、驚き、そのことについて考えてみました。
もしかしたら恩・義理かなと思いました。
辞書を引きましたらobligationと書いてありました。
でも、obligationでもない、dutyとも違う、と何度も繰り返して考えていたら、いい単語が見つかりました。
give & takeです。
恩とか義理はお世話になった人に返す。
でもgive & take のgiveは先にくるではないか。
give & takeでは、先にgiveして後でもらう。
キリスト教では、 求めるものには与えよ、という言葉があります。先に与えよ、と言っています。
東洋にも先にgiveがくるような文化があるのかなと思って探していたら、お釈迦様の言葉にありました。
お釈迦様が、弟子に向かって、お布施をお願いしてきなさいと言いました。
弟子たちは街に出て、お布施を求めて歩こうとしました。一部の弟子たちが金持ちのコミュニティに行こうとしました。お金持ちのコミュニティでお布施を頼めば、たくさんのものが手に入るわけです。
お釈迦さまはそれよりも貧乏人のところに行ってお布施をもらってきなさいと言いました。
弟子たちにはお釈迦様の言っていることがわかりませんでした。
お釈迦様、どういうことですか?
お金持ちのところにいけばお布施はたくさん集まるではないですか。
お布施の真髄はそういうことではない。
貧乏な人がどうして貧乏だか知っていますか?
貧乏な人は、何も与えて来なかった人なんです。だから、何も返ってこなかったから、今貧乏をしているので、貧乏な人に与えることを教えてきなさい。
これがお布施の真髄だというわけです。
貧乏な人が、与えることを知れば、やがて彼等にまた幸運がかえってくる。
わかりにくい話かもしれません。
お金もお米もない人が何を与えたらいいのでしょう、ということになるわけです。
豊かな人たちは、与えてきたんですよ。
皆さんは、今、繁栄したお店に働いています。それは皆さんの先代が与えてきたからなんです。
皆さんの先輩や先祖や先代の社長が、一生懸命働いて、与えてきたものが今返ってきているわけで、ここに働く皆さんはその恩恵を受けているわけです。
皆さんのお父さんや先祖がたくさん与え物をしてきたから、その子孫である皆さんがそのお返しを受けているということなんです。
先祖のお蔭、先輩のお蔭と言います。
会社だって、皆さんが作ったわけではないんです。たくさんの多くの先輩たちが、与え続けてきたというわけです。
与えるものがなければ、どうすればいいのでしょうか。
お釈迦様は良いことを言いました。
顔施って知っていますか?
顔のお布施。与えるお金も米もなかったら、笑ってあげてください。
そう小売業では接客・カスタマー・サービスです。
にこっと笑ってあげてください。スマイルというんです。笑顔を与えてください。
顔のお布施・顔施、眼施で十分なんです。
人に与え続けることが、私たちの繁栄の源ということを感じています。
感謝を言葉に出して伝え、お互いに繁栄するメカニズムを、皆さんといっしょに分かち合い、与え続けることによって、素晴らしい豊かな人生になるのではないかと思います。
韓国の男が命をかけて日本人の女性を救ったことも、彼が命をかけて私たちに与えてくれた、そういうことだとこの歳になってわかりました。
皆さんもお互いに励まし、お互いに与えあって、ご成功されることを祈ります。
ありがとうございました。
2 件のコメント
浅野さん、
こんにちわ、大変興味深い読み物でした。私も貧乏ですけどいつでも
笑っていられるようにがんばります。
玲子
コメント、ありがとうございます。やはり、笑う門には福来るででしょうか?
昔の言葉には、実証された英知がたくさん含まれているようですね。
私も心がけて笑っていたいと思います。
笑顔の再会を祈っています。