大ロシアの旅(Part 5) ~ハイパーマーケット視察の巻~
今日は最終日。
午後から自由時間だった。
しかし、ガイド・車をチャーターして
ショッピング・センターに行く金はない。
あきらめずに船の人に聞いてみた。
すると地下鉄乗り場から
無料のシャトル・バスが出ているという情報を得た。
なるほど、アメリカほど自家用車が普及していないのか、
シャトル・サービスが必要なのだ。
駅まで歩いて15分。
聞いていた黄色いミニバスがあった。
運転手にショッピング・センターの名前を見せると、うなずいた。
やった!
バスの中の母と娘に話しかけ、再確認をした。
彼女は大学生で、英語がわかった。
ありがたい。
途中に目的のオーシャン・ハイパー・マーケットが
2箇所あったが、通過してしまった。
再び不安になった。
45分後、巨大なショッピング・センターが見えてきた。
周辺は北京以上の高層マンション・アパート群である。
やはり郊外はたいへんな住宅建築ブームであった。
ここがモスクワで一番新しいメガ・モールである。
核店舗は4つ。
フランスのオーシャン・ハイパー・マーケット
家具のIKEA
他2店舗。
さらに多くの専門店。
これがアメリカそっくりである。
そしてアメリカ以上に巨大なフード・コート。
子供の遊び場。
目的のオーシャン・ハイパー・マーケットは、
キャッシュ・レジスターが95台もあり、
平日でも人が群がっている。
25年前、アメリカにハイパー・マーケットが来た時は、
成功しなかった。
しかし、モスクワでは大成功している。
ロシア全土で100店舗以上、まだまだ成長途上である。
ウォルマートはまだ進出して来たばかり。
ここではヨーロッパ勢が強い。
モスクワは所帯あたりの平均年収は1万9000 ドルと聞いている。
オーシャンの客は、年収2万5千ドルから5万ドル。
これは市民の25%程度が対象になる計算だ。
ところが、健康保険・教育・住宅は、社会主義の影響が残っており、
さらにプーティンの経済政策で、一時よりかなり改善されており、
アメリカほど金がかからない。
ゆえにロシアはリッチだ。
外貨の50%は石油と天然ガス、後は鉱物と木材、水産物など
原材料で合計70%も稼ぐ。
逆に製品輸出はキャビア、ウオッカ、ミサイルしかない。
資源価格が上がれば、国民は遊んで暮らせる。
超リッチな国である。
共産主義の時代は物が無かった。
今はなんでも欲しい。
ロシア人は宵越しの金は持たない。
ようするに老後の心配はない。
男の平均寿命は59歳。老後などない。
その上国家はこれから大発展する。
先のことなど心配は無用、プーティンの支持は盤石だ。
さて、食品の質はさすがに低い。
とても野菜も肉も
アメリカや日本では店頭に並ぶレベルではない。
傷だらけで、色も悪い。
それでもロシア人は満足なのだ。
物が溢れているだけで幸福だし、
食べてしまえば同じだ。
ようするにロシア人が大物ばかりだ。
サービス考えるレベルにはまだ至っていない。
もちろん、どこの国の人も同じ。
やがてサービスも重要になる。
価格は平均すれば米国の25~50%安いようだ。
同じような価格の商品が非常に多い。
それは外国製品が多いからだ。
ロシア人は輸入ものを好む(国産奨励は聞いた事がない)
日本製品など、すべてに憧れている。
卵は1ダースで約1ドル、
菜種油が1瓶、1ドル(これはロシア製で安い)
魚も肉もすべてパッケージされていて、冷凍である。
もちろん、対面販売などないし、
生鮮、惣菜は無きに等しい。
私は前々から日本人が中国に
ビジネスに行くのは「???」といったスタンスでいる。
中国人は商売の民だし、日本人への食い込みがうまい。
しかしロシア人はそこまで洗練されていない。
逆にそれがチャンスだ。
必ずロシアにまた帰って来たい。
たくさんの視察団と一緒に来ることができれば幸いだ。
学ぶもの? それより、エネルギーをもらおう。
これが大事だ。
石油や天然ガスの買い付けではなく、
心のエネルギー、頭を活性化するために、
ぜひ行きましょう。
浅野秀二
8月7日
(Part6)まで続きます。