《Vol.1》 ドニューブ川クルーズ
新年明けましておめでとうございます。
不況であろうと、雨が降ろうが、風が吹こうが、
今起こっている事が常にベスト、そう信じて未来に生きる。
今年もよろしくお願いします。
<ドニューブ川クルーズ Vol. 1>
あのワルツで有名な「美しく青きドナウ川」のことである。
貧しい世代は旅行をするのにも理屈がいる。(ただ楽しめば良いものを…)
我々の先輩は、ゴルフは人生・ビジネスそのものと言う人が多かった。
一向にスコアが上達しない私は上司からみれば、仕事の出来ない部下でしかなかった。
さて、その理屈とは、過去、現在を知り未来を洞察する歴史観を養う、
グローバルな視点を持つ、異業種や専門分野以外も理解をする。
アメリカに住む我々の欠点はアメリカ至上史観である。
EU27カ国の誕生は訪問の恰好な材料をくれた。
世界の3極をなす最近のEU、特に元共産圏を見たい。
EU27カ国の経済の3分の1はドイツ、
あと、イタリア、フランスを合わせると75%の経済力になる。
ドイツはブラジルに本国以上に土地を持ち、
ブラジルや南米の職業軍人の高官の多くはドイツ系である。
BRICsの一つ、ブラジル経済発展の原動力は
ドイツのエンジニアリングが背景にあり、ブラジルは買いだ。
ロシアにも巨大な投資、土地、利権、コネクションを持っている。
アメリカでも一番多い白人種はドイツ人だ。アングロサクソンではない。
かっての日本の同盟国、ドイツは過去と決別し、
第2次世界大戦で失った広大な旧領土をあきらめることで、
諸外国との新たなる関係の中で着々と未来を形成してきた。
日本は効果のない外交を戦後65年もやっている。
島国のため、長い孤立の歴史を持つ外交は苦手だ。
日本を一歩出ると独善的美学は通用しない。
核や軍事を持たない外交では領土交渉は出来ない。
平和外交に徹するなら、北方領土などさっさと諦めて、
ロシアで自由な経済活動が出来る利権だけ手にする方法もある。
日ソの硬直した関係を横眼に韓国と中国がロシアで大躍進、
日本の出番はなくなりつつある。
土地の所有権より、使用権を認めてもらえば良い。
商売や、資源開発など出来る自由だ。
ベネチアの商人国家はそうして1000年間生きてきた。(塩野七生著・『海の都の物語』より)
ドイツ、ミュニック空港(ミュンヘン)到着、書き込む書類はない。
荷物検査もなく、そもそも空港に政府の係員などほとんどいない。
スタンプを押す係員だけ、シンプルさに感動した。
アメリカの入国は厳しい。日本と言えば、やたら空港に役人が多い。
空港内の食料品店
クルーズのある港・パソーまで空港からバスで2時間。
時速100キロでアウトバーンを走るが、制限時速もなく、
道路標識もほとんどない。超合理的だ。
ドナウ川はロシアのボルガ川に次、ヨーロッパ第二位の2888キロの大河だ。
アルプスから黒海まで流れる。流域には10ヶ国がある。
これからドイツ、チェコ、オーストリア、ハンガリー、スロバキアの5ヶ国を訪問する。
リバー・クルーズの良さは、まず金がかからない、食事、宿、すべて船内だ。
体調が悪ければ下船せず寝ていれば良いのである。
ホテルで仕事をする人がいるが、それと同じ。インターネットも完備されている。
年末・正月は船内で仕事することにした。
船内には昔の美人がたくさん乗船しているが、心は惑わされない。
邪魔はいない。飛行機はすべてマイレージ(無料)、この幸運に感謝したい。
夜9時から、EU連合のセミナーがあった。
タイトルは「EU連合がスーパー・パワーになれるか?」である。
セミナーを聞くより、百聞は一見にしかず、昔の国境を越えた時に理解出来た。
鳥取県と島根県の県境と変わらない、古いゲイトは残っていたが、
EU統一は歴史的必然のような気がする。
理屈はやめて明日から観光客気分で楽しもう。
浅野秀二
1月6日