地中海クルーズ(2) 出港、イタリア・ギリシャへ
亭主元気で留守が良ければ、社長は給与さえ支払えば、
留守が良いに決まっている?
12月から2011年6月まで、毎月会社にいるのは1週間前後、
すべて社員を信頼して任せている。
しかし、犠牲者もいる、2匹の愛犬だ。
私もこれだけは、いつも本当につらい。
さて、港に着くと巨大な雄姿が待ち受けていた。
2006年に建造したばかりの新造船は、
9万3000トン、全長290メートル、14層からなる。
レストランは14か所、ラスベガスのような劇場、
カジノ、ジム、サウナ、美室院など、あらゆる施設がある。
乗組員1121名、乗客2400名。
アメリカン人は70%、次に目立つのが中国人、
これにカナダ、イギリス、ドイツ、オランダと続く。
日本人は他に誰もいなかった。
アメリカの最新鋭の原子力空母・カールビンソンと
ほとんど同じ大きさだ。
高速で走るが、バルセロナからローマ近くの港まで、
1日半以上かかるという。
昔の船なら風任せ、何百人ものこぎ手で何十日の航路だろう??
飛行機の旅に慣れた現代人には、
昔の人が体験した距離や、時間は理解することはもう不可能だ。
狭いと思っていた地中海は、
どうも東シナ海と日本海の端あたりまでの距離があるらしい。
7階の甲板は3周で2キロある。
バルセロナ3日間、ブラブラ歩いたが、7万歩を越えていた。
船中で観光の無い日は、1日あたり3万歩を目標としたい。
1歩あたり70センチ前後とすると、21キロだ。4時間はかかる。
セルコの平社長いわく、1日3万歩で、糖尿病はなおる???
ローマ近くの港に着くが、夏に行ったばかりのローマ、
オプションには参加しなかった。
港からローカル線でローマのテルミニ駅まで行き、
夏に会った近藤朋子さんのレストランに行くが、定休日。
残念、近くで食事をして船に帰る。
夜はビートルズ・ナイト、4名の若者がビートルズを歌った。
何と可愛い若者たちだ。本当にかっこいいと素直に思った。
若さは何より、素晴らしい、誰にも一度しかない。
彼らの若さに合わせ、熟年者も、若い男女、子供達まで、
手を挙げ、体を左右に振り、熱狂した。
ビートルズは永遠の名曲だ。
楽しみにしていた、アテネ観光がキャンセルになった。
アクロポリスには行けない。
ギリシャ神話、ソクラテスたちギリシャ哲学者が、
議論した街を見たかった。
残念、ジェネ・ストの影響を受けたのだ。
ギリシャの経済破綻の影響を直接受けるとは思いもよらなかった。
公務員、銀行員、弁護士、医者、あらゆる人が
ストライキを10日間もしているらしい。
歴代の政権は票欲しさに、国民の25%を公務員にした。
どこかの国も似たようなことをしている。
郵政職員5万名の正規雇用、子供手当、
平均年齢65歳の農民の補助金、
すべて準公務員化の始まりだ。
子持ち家庭の控除額のアップ、
農地への固定資産をゼロにするなど
他にも方法はいくらでもあるはずだ。
役人の手で税を集めて、役人が分配をする。
これが間違いだ。
沖縄基地問題は、防衛の90%を沖縄が荷なっているなら、
沖縄の消費税を90%カットする。
それなら基地容認を考慮するかもしれない。
税金の公平な負担と防衛の負担の取引だ。
生活保護は仕事をしない人の公務員化だ。
中国の非合法移民まで生活保護を支払う、
大阪の予算の半分はそれに消える?
せめて私のように一日3万歩歩いた人のみに支払うことするか?
ギリシャのことは笑えない。
国の興隆は理屈では簡単だ。
1)小さな政府、公務員を減らすことだ。
江戸時代の特権階級の武士は3%のみ(正確には記憶していない)、
だから260年ももった。
2)減税、税金を安くすることだ。
株式の売買益など今すぐにでもゼロにすべきだ。
世界中から資金が流れ込む。
国民の含み資産が増えれば、消費は増える。損する人はいない。
ジンギスカンの元は、税金は10%だった。
3)規制の撤廃だ。
スーパー業界の産地の明示、
鹿児島産の牛肉と1m隔てた県境の宮崎肉とどこが違う。
4兆円?にも及ぶ食品の破棄、業界の負担が多き過ぎる。
すべて公務員を食うための仕組みだ。
エーゲ海に来てまで、誰もが感じていることを書く。
自己嫌悪に落ちいるが、ストレスの解消にはなる。
解っていても出来ない。
それが政治や人生だとすると、それでは、若者が可哀そうだ。
とにかく、ジェネ・ストは、
「アテネには再び来い」ということだと理解した。
船はクレタ島に進路を変えた。
小さな港町、可愛い小舟、人の良さそうな島民、
大都会ローマはいやだが、ここなら住めそうだ。
夏はリゾートの人たちで混むらしい。
冬の地中海、突然の大型船の寄港を住民は知らなかった?
多くの店は閉まっていた。
島のスーパーに行く、店は暗く、品物もあまりない。
店のオネーチャンは、英語がうまい。
「英語の発音がいいね、どこから来たの?」
「アイルランド」
「どうして。ここにいるのさ?」
「夏にこの島に遊びに来て、島の男にだまされたのよ」
よくある話だ。
「騙されて良かったね。」日本語で言った。
「WHAT?」 彼女が叫んだ。
「グッド ラック」
お互い笑って別れた。
浅野秀二
12月20日