仕事もしているの?
旅行記や遊びのことばかり書いているので、
いつも遊んでいると思われている。
だが実は仕事もしています。
中学の時の理科の時間で、
生物の根の部分を「負」、
木や花の部分を「正」と習った記憶がある。
太い根がなければ大樹(正)にならない。
人生において仕事と関係がない部分(根)がないと
大輪の花も咲かない。
人生の後半の部分でなんとか花を咲かせようと、
今は根を生やす時期と心得、
一生懸命遊びまわることにしている。
さて、ブラジルから帰って、
2日後にはラスベガスへ5日間、
結城先生に同行した。
その後、ワシントンDCとニューヨークへ。
帰ってきて翌日には、再びラスべガスに4日間。
ラスベガスから帰って、その翌日には日本。
父の一周忌で法要、そして墓参りをした。
夜は同級生が13名ほど集まってくれた。
都会の一流企業で出世した連中も
だいぶ帰って来ていて、故郷は賑やかになっていた。
アメリカの『Sukiya Living Magazine (The Journal of Japanese Gardening)』
というガーデン(庭)の雑誌で
9年連続で一位に選ばれている足立美術館の日本庭園と、
中海に浮かぶ大根島にある
由志園という牡丹農家で成功した人が造った
1万坪の日本庭園を見学した。
いずれも見事な庭園であった。
京都の庭園や大名が造った庭園よりすごいと思った。
これが結城先生の言う、「後進の先進性」ということか?
東京では小学校から高校まで同級生だった柏井君と会った。
彼は日本一のテレビ番組製作会社、
「株式会社いまじん」を一代で創った。
日本テレビの人気番組を週8本製作している大監督でもある。
もちろん、『ジョージ君、アメリカに行く』の
テレビ番組化をお願いした。
「君が死んだ後、君の遺産で映画化を考えよう。
今しばらく頑張って、金を貯めてくれ」
東京の高尾山の麓にある料亭「うかい鳥山」にも行った。
ヒラリークリントンも行ったことがあるそうだ。
ここは以前、日本セルコの佐伯会長に
連れていっていただいた料亭で、その時とても感動した。
足立美術館が世界一の日本庭園なら、
ここは世界一の日本料亭である。
その日は今年初めての「ホタル狩り」のイベントだった。
すべての明かりが消され、ホタルが放たれた。
遠い子供のころの記憶がよみがえってきた。
あの頃元気だった父はもういない。
もう二度と会えないのだ。
彼はホタルとともに去っていった。
昔、サンフランシスコで加商の支店長だった緒方さんが、
東京、高田馬場の「ファンファン」という
カラオケ・クラブに連れていってくれた。
彼の妹夫婦が経営している店で、
夫は役者の川島一平氏である。
その時たまたまいた、客の園江 治さんが
懐かしい往年のヒット曲をギターで弾く語りをしてくれた。
園江さんも役者でオペラ歌手、
シャンソンやカンツォーネまで歌ってくれた。
さすが、東京はすごい。
プロが普通に隣に座っているのだ。
テレビに出てくる若い歌手より、園江さんたちの方が断然うまい。
ただ、時代が彼らを要請していないだけだ。
日本から帰った2日後には、
再びニューヨークへ10日間。
視察先のホールフーズのガーリンダ女史とは、
もうハグする仲になっている。
フェアウェイ・マーケットのボスは、
店内の案内はもちろん、写真までOKしてくれた。
彼曰く、833坪のブロードウェイ店は現在、
面積あたりの売上げは全米一で、
週に2億5000万円(100円計算)、
年商130ミリオンドル、130億円にもなるという。
彼のいるレッドフック店は、
週に1億5000万円売上げる。
青果の売上構成は32 %、
グロサリーを含むオーガニック商品の売上げは30 %を占める。
「今のトレンドはオーガニックと青果」と明言した。
今回は珍しく客の要望もあり、
ニューヨークで日本人女子留学生の働く
ナイト・クラブに2日にわたって行った。
客一人一人の隣に美女が付く。
楽しい思い出は、確実に研修効果を高める。
何とも充実をしたニューヨークの日々であった。
遊びは確実に人生の根を太くする。
きっと私の墓の前には大輪の花が咲いているに違いない。
浅野秀二
6月22日