最近のホール・フーズの状況
忙しいという漢字は、心を亡くすと書く。
英語ではBusyと書き、名詞形にするとBusinessとなる。
ビジネスをすれは、当然忙しく、心を亡くす状態に陥る。
多忙で何が不満かと言えば、愛犬(モカ、チビ)と、
散歩が出来ないことである。
眩しい太陽、
キラキラ光る水面、
海岸や運河の周りを歩きながら咲き始めた花、
散りゆく花、リス、アヒルなどの小動物、
すれ違う散歩中の色々な犬たちを見ることは、
私の大きな楽しみ、ストレス解消法である。
どの犬も可愛いが、
可愛いお嬢さんや、美しい奥様は、時々しか会わない。
吹く風にのせて、
「You are so beautiful!」 と言いたい衝動に駆られるが、
褒めるのはもっぱら犬の方だ。
当然、愛犬を褒められた女性と話は弾む。
当然だが、彼女たちのうれしそう顔を見ると、
日本の店の中でもっと女性客を褒めるべきと思う。
女性を褒めたい時は、持ち物を褒めるのがコツである。
これならセクハラにならない。
子連れのお母さんの子供を褒める、これは誰でもやっている。
女性の一番聞きたいことは何か?
それは褒め言葉である。
彼女達はそれが聞きたくて、その店のリピーターになるのは間違いない。
多忙の、もうひとつの不満は、
日経新聞と地元のサンフランシスコ・クロニケルと
BARRON’S (株・金融専門誌)が毎日読めないことにイラつく。
旅行中時々買うのは、
ウォール・ストリート・ジャーナルとUSA TODAYの全国紙である。
帰ったら新聞の山である。
もっぱら読むのは飛行機の中、
時には2週間分の新聞を見る。(全部は読めないが…)
手は真っ黒、スチュワーデスにはごみの山で嫌がられる。
もちろん、一番大きな問題は健康管理の難しさである。
さて、ホール・フーズの株価が、
最安値の2008年11月から3倍になっている。
確かに店に行くと客が戻って来ている。
低価格のプライベート・ブランド365の積極的導入、
ホール・デールという店内チラシ、
店内の展示も安さを強調した場面が多い。
また、地区ごとの柔軟な価格設定も客足の躍進に貢献している。
2009年の夏ごろから客が増え、客単価も上がり、
新規の客も増加している。
2010年 1月17日の4半期決算では(16週間)、
利益は70.6%も上がり、
売上は$2.6ビリオン(約2600億円)、
既存店でも3.6%上がっている。
これは期待以上の数字であったようだ。
しかし、まだこの数字が
本来のホール・フーズを成長軌道に乗せたかはまだ不明だ。
2年ぐらいたたないと解らない。
今年に入っての20週間を見ると、7.8%の売上げアップ、
既存店で4.2%の数字になっており、
1株当たりの利益は$1.2から$1.25になるものを予想されている。
その衝撃的結果は、ホール・フーズが、
未来に対していろいろな意味で強気になる理由を示している。
まだまだ、不確定な経済、消費者、競争など、
いろいろな要因があるものの、
不況を抜けつつある感触を掴んでいる。
特に裕福な人たちが再びお金を使い始めた。
平均的消費者と比較して彼らが再び
未来に強気になっていることを示している。
ホール・フーズの一店舗の1週間の平均売上げは、
4%アップして$572,000であり、
週に1平方フィート$800であり、
最近開店中の1,300坪の店舗では
週平均、$65,000にもなっている。
これは平均$707より27%も高い。
コロラド州のワイルド・オーツの店は、
既存店、2ケタの伸びを示している。
クローガー、セーフウェイ、アルバートソンズなどの株価は
いずれも、2009年は値下がりをした。
彼らは価格を下げても売上げはマイナス傾向である。
良い店、健康で楽しい店が、
価格下げ、プロモーションをすれば劇的な効果があるが、
この数年の不況とウォルマート対策で価格のみに振り回され、
魅力を失った大手チェーンが、これ以上価格戦略を強化しても
業績の向上には繋がってがっていない。
それは当たり前だ、同業他社も同じく価格を下げている。
Busyで心なき男たちが仕事、仕事と、金儲けに専念している間に、
友達や家族に見捨てられて行くのと似てはいないか?
価格―金儲けもほどほどにして心を取り返し、
魅力にある店(男)になるしかない。
店を心理学的に考察する。
これが必要だ。
潮の流れが変わりつつある微かな兆候、
これから研修に参加される方と、
この辺を一緒に確認できるか?
楽しみにしている。
浅野秀二
2月28日
2 件のコメント
>名刺型にすると
名「詞」型にすると、、、ですよね?
一瞬、「忙しさが名刺に表されるぐらいになるとビジネスと呼べる領域になる」とか深読みしてしまいました。
Sekizuka様、
誤字、大変失礼いたしました。
「名詞形」と修正しました。
ご指摘、ありがとうございました。
今後も浅野秀二のアメリカ寄稿ブログ、よろしくお願いいたします。