Natural Products Expo West
腱哨炎を甘く見ていた。
右手の中指を曲げる時、伸ばす時、激痛がする。
そのうち治るだろうと軽く考えていた。もう4カ月も治らない。
右肩、肘、首筋、右半身全体が痛くなってきた。
この1カ月、カイロプラクター・整骨医に行って多少は良くはなったが、
ブログを書くのを出来るだけ避けている。
さて、米国大豆協会の日本支社から
「Natural Products Expo West」の通訳の依頼があった。
アメリカの大手大豆生産農家、加工会社、商社と商談をすると言うのである。
日本の新聞社、大手メーカーの方々5名と、
日本の大豆協会の事務局(彼女はアメリカの大学院卒のインテリ)合計6名であった。
この自然食品の見本市は食品で最大の展示会の一つになっていて、
今年も5万6000名の人が参加した。
今年で30年を迎えるが、参加者は年々増えており、
自然食に対する関心はかつてないほど高まっている。
私は2月、3月のスケジュールがほとんど埋まっていると思っていたが、
3月13日、14日だけが偶然にも空いていた。
欲張りな私は、一日も惜しんで仕事をすることにしている。
軽くOKと返事をしておいた。
やがて米国大豆協会の本部から10ページ近い契約書が英文で来た。
読む前から頭はパニック、拒否反応した。
“通訳が出来ない時は、お金は支払う義務はない”と書いてあると思ってしまった??
何度も読み返してみるが、そのようには書いていない。
しかし、あとでケチを付けられてはたまらない。
アメリカ生活30年、相変わらず英文の契約書には恐れをなす。
まして通訳を専門として仕事をしているわけではない。
特に健康食品の世界は、抗酸化や乳酸菌、遺伝子組み換え、
サプリメント、多くのミネラル、ビタミン、農薬、食品、
植物の病気に関する専門用語が出てくる。
難しそうな通訳になりそうだ。
一度はOKしたが、断ることにする…。
君子危うきに近寄らずだ…。??しかし、君子は豹変するとも聞くか…?
結局、挑戦することにする。
犬もあるけば棒にあたる、必ず学ぶことはある。
食品業界ではシカゴで行われるFMI(Food Marketing Institute)のショーが、
長い間有名であったが、人気はガタ落ちし、
会場をラスベガスに移したが、人気は盛り返さない。
食品の総花的なショーから、より専門性が高く、
健康、自然食に焦点を絞ったショーに業界の関心は移りつつある。
オメガ3、グルテン・フリー、美容、スキンケア、
オーガニックのヨーグルトなどが目についた。
私の興味は、抗酸化などのアンチ・エイジングの世界だ。
また毎年会場で会うのは、緑茶、無糖茶の第一人者、伊藤園の米国社長、
Mr. Yosuke Honjo、彼こそIto-En USA、躍進の原動力である。
今や、コカコーラ、ペプシの飲料超大手が最も今後のライバルと見なしている企業だ。
30年前のトヨタを思い出す。
糖尿病の私はこの会社を心から応援をしている。
アメリカには、無糖の飲料が必要だ。
アメリカのすべての公立学校からコカコーラ、ペプシなどの自動販売機が排除された。
サンフランシスコ、ニューヨークでは、これらに飲料会社に
9%程度の税金をかけようとする動きもある。
オバマ政権は健康保険の法案を成立させたが、
これから医療費を削減しないとこの保険制度は維持できない。
国民の健康状態を改善するために、必ず無糖飲料に注目する。
30年前に、省エネで日本車が売れたことを、連想してもおかしくはない。
もうひとつ興味を持ったのは、この業界のエスニック化の進行だ。
多くの外国のオーガニック商品のブースがあったことだ。
ヒスパニック、韓国、中国、ヨーロッパ諸国である。
日本も味噌業界、お菓子、ヤクルト、酒、お茶業界など頑張っていた。
私はヒマラヤ山地のGoji Berries(クコの実)の味が大好きだが、
栄養価の高いのには驚いた。さすが古代からの漢方の薬の原料である。
ミネラル分が豊富で抗酸化作用がどのフルーツより高いのである。
これは注目すべきだ。
2日間の仕事は何とか、無事に終わった。
五十嵐ゆうこさん推薦の有機レストランの味が洗練されて美味しかったこと、誰もが満足をした。
大豆協会の話を持って来てくれた彼女にどこかでお礼を言いたい。
良い勉強させていただいた。
浅野秀二
3月21日