中国紀行(1) 北京の空は青かった。
3年ぶりの北京である。
期待していた以上に、北京の空が青い。
高速道路から見る風景は以前と比較して
木が多く植林されていた。
昔は禿げ山だったが、万里の長城の付近まで緑が多くなっていた。
北京の空気汚染が多少は改善されているような気がした。
今回はアメリカ人の団体ツアーに参加した。
揚子江クルーズである。
いつもならいる中国系アメリカ人は今回、一人もいない。
他の参加者たちは年齢が高い(背も高い)ので、
みんな本当に優しいジェントルマンとレディーたちで快適だ。
北京のホテルに3泊した。
2日目は紫禁城、天安門広場、頤和園(サマーパレス)を観光。
そして3日目は万里の長城と明13陵の観光であった。
北京の変貌には驚いた。
宿泊したホテルは金融街にあった。
まぁニューヨークで言えば、ウォール街と言ったところか。
とにかくすべてが新しいので、
ニューヨークより街が綺麗なのである。
整然としていて、ゴミは落ちていないし、落書きもない。
ホテルの周りにはさすがに物売りもいたが、
失業者・浮浪者のような人にはほとんど出会わない。
空気が比較的良かったので2日にわたって周辺を走ることもできた。
付近のマンションは20坪でも最低60万ドルはするという。
ガイドさんが買ったマンションは、
買ってから13倍もの値上がりをしたと笑っていた。
この30年での北京の変貌は信じられない。
通訳ガイドさんは、アメリカに行ったことはないと言うのに、
英語は完璧だった。
この5年で33カ国に行ったが、
彼ほど素晴らしいガイドには会わなかった。
経済、社会、歴史、なんでもござれ、
ユーモアがあって、態度も素晴らしく良かった。
人物は一級である。
彼は、鄧小平の政策で中国は大きく変化したのだと、
何度も繰り返し言っていた。
それにしてもこの巨大な中国のこの変貌は、
鄧小平氏の存在だけでは説明しきれない。
明らかに資本主義と共産主義、一党独裁の
融合のお陰だと言える。
ただ、これからはその弊害が出てきそうだ。
甘やかされて育った一人っ子や高齢化社会など、
日本と同じような問題に直面するだろう。
この3日間で特に嫌な場面には出会わなかった。
3日目の朝は、フートン(胡同)地区を見て回った。
力車で狭い、昔ながらの古い街を走った。
また、一人住まいのアーティストの女性宅にも訪問した。
かわいい犬が出迎えてくれた。
だが結局、彼女の作品の即売所に変わった。
さすが、商売の国、中国だ。
この30年で大きく変貌したとはいえ、
昔の北京の様子は残っているところもあった。
日頃のジョギングの成果か、
今回は簡単に万里の長城を2区間、登れた。
下りは一部、かっこつけて走った。
ついに万里の長城でジョギングができた。
登れて喜んでいたが、
私より年寄りのアメリカ人たちもどんどん登っていた。
まだまだ頑張らないといけない。
途中でたくさんの中国の若者に会った。
それにしても中国の人々は優しくなって、洗練されてきた。
特に若者は明るくて、非常によく笑う。
彼らの未来が明るいことを象徴しているような笑顔を何度も見た。
平和は素晴らしい。
昔は行けなかった中国にこうして行けるのも、
平和と友好のお陰だ。
インテリのガイドさんから反日的な言葉は一切聞かれなかった。
実はこれも初めてのことである。
過去3回中国に行ったことがあるが、
いつも反日的な言葉が聞こえてきた。
彼は日中の間には誤解と不安があり、
お互いコミュニケーションをしないといけないと力説していた。
ホテルの前には高級ショッピング・センターがあった。
地下にある高級スーパーに行った。
見るべきものはなかった。
野菜や果物はすべてビニールで包装されていた。
このような売り方は、我々には違和感がある。
新鮮さが感じられない。
ワインは一番安いもので20ドルだった。
トレーダー・ジョーの「チャールス・ショー」ワイン、
価格1ドル99セントに慣れている私には、異常に高く感じられた。
中国の新聞『CHINA DAILY』 を買った。
「日本のプロ野球の名声はダルビッシュの右腕にかかっている」
という記事が写真入りで載っていた。
東日本大震災の津波で流された幽霊船がアラスカ沖まで流れつき、
アメリカ沿岸警備隊によって大砲で沈められたという記事もあった。
浅野秀二
4月9日
2 件のコメント
お久しぶりです。1年前、Aコープの研修にてお世話にまりました山元です。
浅野さんのブログはマメにチェックしておりましたが、フランスや中国となかなかお忙しいですね。
今日はダルビィッシュの初登板でしたが、なかなかメジャーの雰囲気は独特だっのでしょう・・・次回は日本人の心意気をみせつけてほしいものです。
仕様もないつぶやきでした。それではまた。
山元撤弥
山元様
あまりブログを更新していないのに読んでいただいてありがとうございます。
外国(アメリカ)ではまだ家を一歩出たら7人の敵がいると思った方が良いでしょうね?
日本は誰でも善意で味方になってくれますが、
ここでは力でねじ伏せないとだれも味方をしないでしょう。
ダルビシュは実力があるのですぐ慣れて、
チームメイトも監督もファンもマスコミを味方にしてくれるでしょう。
ナイーブな日本人から、おさらばして頑張ってほしいですね。
中国は敵は7人どころか、周りは敵だらけ、ここにいると力は倍増しますよ。
日本の若者よ、中国に行けと言いたいですが、とても我々には住めません。
太陽が見えたのは、北京の2日間と上海の1日、
それでも日本やアメリカでみる日輪は見えません。
私は幸運だと思いました。