第一回盛和塾パンナム自主例会 in Brazil
「心を高め、経営を伸ばす」、盛和塾の
南北アメリカ合同勉強会をブラジルでしよう
という話が盛り上がった。
私は絶対に参加したいと思っていた。
20数年前に訪問した際、苦労した人間だからこそ可能な、
ブラジルの人々の温かい心に触れ、感動したからである。
ぜひもう一度行きたいとずっと思っていたのである。
運良く日本の大型連休と重なって、日本からのツアー客はこない。
北アメリカから11名、ブラジルから29名、
合計40名ほどの勉強会、経営体験発表である。
シリコンバレー盛和塾からは3名参加することになった。
一人は製麺業者の山下さん。
山下さんの会社は現在、3億5000万円の売上げだが、
10年以内に200億を目指している。
もう一人はとても若い久保居さん。
従業員1000名、年商100億円の会社オーナーである。
170店のホールフーズに
持ち帰り寿司屋のテナントとして入っている。
もちろん、自然食、有機に対するこだわりはすごい。
その二人とはダラス空港であった。
ダラス空港からは10時間ほどでブラジルに着く。
20数年前に行った時はニューヨーク経由で6時間かかり、
さらにブラジルまで14時間半かかった。
合計20時間以上も飛行機に乗った記憶があったが、
今回は意外と近かった。
機内では、若い時にブラジルからアメリカ留学をし、
大学教授にまでなったイルクザさんと話ができたので、楽しかった。
イルクザさんの話では、
今、サンパウロやブラジルは中国人が増えていて、
ナイキやアディダスなどの靴やブランドものの偽造カバンを、
ブラジル人の工場に夜間操業をさせて作らせていて、
急速に大金持ちになっている。
また、中国人がブラジルを偽物で溢れた社会にしている
と苦情を言っていた。
空港にはたくさんの出迎えがあった。
私はブラジル在住の森田さんが担当してくれた。
彼の工場、女性向けの装飾製品メーカーを最初に見学した。
その後、スーパーマーケット、
ウォルマートの薬局、
サンパウロの市場、
そして地元のスーパーセンター、「エキストラ」と
高級スーパーを見学した。
物価の高さはアメリカ以上である。
工場労働者は月給約6~7万円しかないのに、
物価が異常に高いのだ。
ワインなど、アメリカの3倍もしている。
フードコードでブラジル料理を食べたが、
一人あたり15ドルもした。
今、盛和塾は70塾、多くは日本国内にある。
海外ではアメリカ、ブラジル、中国、台湾など、
合計で7200名の経営者が学んでいる。
毎年盛和塾の世界大会があるが、
過去の10回で海外塾生が最優秀経営者賞をとったのは
アメリカが2回、ブラジルが3回である。
すなわち、50%の確率で海外塾生が最秀賞を取っている。
塾生全体の10%以下の人数で、このすごい結果を出している。
それだけ海外に移住して創業した者の苦難苦闘話は
人の心を打つものがあるということか?
日本では「親の七光」という言葉があるが、
移民者にはそれはない。
もちろん、日本国の支援はなく、
大手企業の駐在員のような、親会社の存在もない。
昔、平塚らいてうという女性解放運動家が、
「古代、女性は太陽であった。
今は太陽の光でしか輝けない、月の光になった。
女性も自らの言葉で光り輝く存在になれ」と説いた。
まさにブラジルの移住者は、誰れ彼もが、
自分の心の持ち方、自らの心で核融合し、
光り輝くことが出来た、素晴らしい人達ばかりであった。
盛和塾では「燃える闘魂」というが、
その闘魂を我々は聞きにはるばるブラジルまでやってきた。
シリコンバレーから参加の山下さん。
ニューヨークからは年商50億のサプリメント会社を
作った山田進さん。
ブラジルで6000ヘクタールの牧場に6000頭の牛を飼い、
有機牧草の種を作っている、私と同い歳の久枝さん。
6000ヘクタールというのは香川県と同じくらいの面積に
撒くのに十分な種の量になるらしい。
ちなみに彼は2010年の世界大会最優秀経営者賞受賞者。
そして世界のバナナ王といわれている、山田勇次さん。
この4名が発表した。
特に山田勇次さんの苦労話には、感動する人が多かった。
その苦労がすべて太い根となり、広く根をはり、大樹になり、
今、たくさんの花や大きな実を実らせている。
苦労は無駄では無かった。
ちゃんと根になっていたのだ。
山田さんは北海道で11人兄弟の10番目に生まれた。
13歳の時、ブラジルで大農場を経営するという夢を見た父に連れられて、
一家で移住した。
ところが、ポルトガル語が読めず、騙された一家は
大借金を背負うことになってしまった。
2年後にはその父が他界してしまい、
長兄夫妻ともおりが合わず、15歳にして独立を夢見た。
学歴コンプレックスに悩む日々でもあったらしい。
成功哲学著で有名なナポレオン・ヒルの
『巨富を築く13の条件』を読んで感動し、
彼の言葉を家中に貼り、勇気を奮いたたせ、勉強した。
17歳で小さなバナナ農園を持つこととなり、
やがてそれが成功し、100ヘクタール農園主になった。
しかしそれで満足しなかった彼は、
地平線の見えるようなもっと大きな農場探しに出た。
適地が見つかった時、
彼は退路を断つために、そのとき所有していた家屋敷、
農機具などをすべて半額で処分し、新天地に移った。
やがて再び成功したが、田舎で情報もなく、
天候、政治不安、農産物価格の乱高下などで、
常に不安で仕方がなかった。
1995年にブラジル盛和塾が開塾したことを聞き、
18時間もバスに揺られて、サンパウロの勉強会に参加した。
田舎者で自己紹介もまともにできなかった。
悲観し、2度と参加はしないと考えたが、
その後、稲盛和夫氏の著作を読んで感動。
「動機善なりかや、私心なかりしか」
これを深く胸に刻み、正式な塾生となった。
そして、2004年に日本で全国大会にでて、
最優秀経営者賞を取った。
2011年12月31日時点の会社規模は従業員2000名、
1700ヘクタールのバナナ園、牛3000頭を所有。
バナナの他、500ヘクタールの敷地に柑橘類などの農産物をで作っており、
合計2200ヘクタールもの農園を所有している。
販売拠点は16か所にあり、90億円を売上げる。
税引き後の利益は8.5%と信じられない数字である。
利他の心で社会貢献する彼の姿に住民が感動し、
今年に10月には市長選挙に推されて、
ついに政界にも出ることとなった。
ブラジル政府は腐敗している。
純粋な彼は65歳で再び新たな挑戦の日々を迎えるのだ。
我々は全員、心から拍手をした。
人は死ぬまで、心を核融合させ、
燃え続けないといけない。
謙虚で静かで優しい顔をした山田勇次さんに
日本人の真髄・サムライをみた。
浅野秀二
5月7日
6 件のコメント
浅野さん
ロサンゼルスの鶴亀です。ブラジルからの貴重なご報告、楽しく、感動と共に読ませて頂きました。ありがとうございます。本当にブラジルの皆様の「燃える闘魂」は素晴らしいですね。バナナ王の山田さんが政界進出との事、是非頑張って欲しいですね。
浅野さん 感動的な Report ありがとうございます。 次回があればぜひいってみたいですね。
やあ、浅野匠守!
お疲れ様でした。写真やコメントでカバンの中に入れて頂いて、一緒に旅したような気分になりました。
すばらしい勉強会でしたね。
先日、キリマンジャロを登頂した人の講演があったので、聞きに行きました。
高山であるため、高所になれることや体力がいることなど。
また彼は著書もあり”Kissing Kirimanjaro”
という本を買いました。一読をおすすめします。
手始めに北米の高山を登って見ましょうよ。
私は先週、トライアスロンの短いやつをやりましたが、記録がうんと落ちていました。
来月はオリンピック距離のやつを金牧信二と一緒にやります。
いまはボチボチ、朝の水泳を再開して半マイルぐらいの水泳をやっています。
「根性なんて言葉嫌い!」なんと抜かす女どももいますが、そういう女は横っ面を張り倒して、犯してやりたいと思っています。
天性のない男は根性でやり切るしかないじゃないか!
ふざけんな!
ということで浅野さんに八つ当たりするのも、いいですねえ。
私は50億も100億もの年商をあげるような男ではないですが、
自分の穴の大きさはしっかり理解しているので、まあ5億か10億ぐらいですよねえ。目いっぱい頑張っても。
そのかわり腕立てではだれにも絶対に負けませんよ。
先日102回やりましたから。
近いうちまた、のみましょうよ。
森
皆様
たくさんのコメントありがとうございました。
この後に写真を中心にイグアスの滝を載せます。
わたしもナイアガラ、ヨセミテ、グランド キャニオン、イエローストン、
モニメント バレーなど行きましたが、
イグアスの滝が一番感動しました。まさに壮大なスケールの大パノラマ
行けた喜びでいっぱいです。
本当にすごかったです。
ありがとうございました。
本日6月21日に拝読いたしました♪
ヤハリ努力努力を教えていただきました!
ご健康にお気をつけて下さい❕
福塚様
あのブログを書いてから2年近くたつのですね。
コメントありがとうございます。
以前はずいぶん熱心にブログを書いていたのですね。
あらためて自分で感動しています。
ワインを飲むようになって、すぐ眠る癖がつきました、
酒飲みは最高ですが、マイナスもあることを知りました。
毎日にワインを2日程度休んでもう少しブログを書こうと思います。
7月はスカンジナビアに行きまます。
また報告をします。
浅野