インド紀行(1)
21世紀の大国となるべき
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、チャイナ)の国々を
すべて訪問したいと思っていた。
残された国はインドだけである。
だが実現のための問題は多かった。
まず遠すぎる。
ニューヨーク経由で行く必要があり、
飛行機に乗っている時間だけでも22時間もある。
また、不衛生から起こる下痢・食中毒、
これが一番、訪問を躊躇していた理由である。
しかし、思い切ってインドに行くことにした。
旅は今日で7日目を越えたが、
体調は完璧、すべてが快適・絶好調だ。
こんな面白い国はない。
食事も非常においしい。
インド最高。
町はホコリっぽいが、
デリーのような1700万人も住む大都会でも、
中国と違ってここには青空があった。
それにしても、ものすごい人の数である。
とにかく、どこの路上も若い人が溢れ、
商売をする人、路上にただ座っている人、
なかには車の往来の激しい
排気ガスとホコリまみれの道路脇で寝ている人。
女性はよく働くが、
男たちはお茶を飲みながら
人生哲学や政治談議をしているらしい。
町はゴミだらけ。
草が生えていない都心で
牛は何を食べているか不思議だったが、
人が残飯を食べさせているらしい。
毎朝、牛は家々を回って、
人々が残した残飯や生ごみを餌としているというのである。
これらの牛はすでに草など食わないらしい。
紙を食べている牛もよく見た。
路上には、牛に交じってヤギや豚も
ゴミや残飯をあさっている。
犬もゴミの中に住んでいた。
すべてが常識では理解しがたい。
それがまた異質で最高に旅情をかき立てる。
インドに行く前から色々な疑問を持っていた。
宗教、人種、歴史、生活、風習。
滞在するつれ色々な謎が解けた。
紀元前1500年ごろ北からアーリア人が、
土着民(オーストラリアと同じ人種のアボリジ人)のいる
インドに侵入した。
アーリア人が身分制のカースト制度を持ち込んだらしい。
その他、
なぜ、紀元前マケドニア人のアレキサンダー大王が
インダス川を越えて大遠征をしたのか?
なぜ、トルコ中国西域でイスラム化した
ジンギスカンの末裔までが多大な犠牲を払ってまで
インドを征服し、定住をしてムガル帝国をインドに造ったのか?
なぜ、イギリスが80年間もインドを支配したのか?
800年にもわたる異民族による支配の理由は、
バスで一日地方を走ってみたらすぐに解った。
自然がめちゃめちゃに豊かなのである。
動物も植物も豊富で農業が盛んである。
12億を超えた人口を今でも養う農業がある。
古代は世界の屋根のヒマラヤ山系からくる
インダス川、ガンジス川の水も魅力があったと思う。
さて今日の問題は、
5P(Population, Poverty, Politics, Pollution, Pakistan)らしい。
人口が爆発している、
毎年オーストラリアの人口と同じ数が増えているのだ。
これが生活向上できない大きな原因となっている。
しかし、最近つくづく思うが、国力とは、
人間の数、人口の若さ、貧困からくるエネルギー。
いずれも日本にはないが。
もし、この国に優秀なリーダーが現れれば、
たちまち中国をしのぐ超大国になる。
またこの貧しさを体験していれば、
彼らは移民として世界に出ていけば必ず成功する。
やがてインドの移民も中国の移民と同じように
世界を支配する勢力になる。
21世紀は間違いなく、
白人や日本人が活躍した時代とは違う世界になる。
さて、我々はデリーやニューデリーで3日間、
世界遺産のイスラム教会や、
ヒンズー教会、シーク教会などを訪問、
リキシャ(力車)で街や市場を回遊し、買い物を楽しんだ。
騎士クラス出身のインテリなガイドさんや、
我々が訪問した上流階級出身の家庭に何度も確認したが、
実は食品を扱うスーパーマーケットは
デリー周辺にはないということを知った。
国民の多くはこの路上や商店街の出店で食品を買うらしい。
60年前の日本と同じだ。
フランスのカルフールは法的に大衆には
食品をまだ売れないらしい。
その後、南東へ265キロ移動。
城で有名なジャイパーに向かうが、
途中、ジプシーの村を訪れた。
ジプシーはインドが発祥の地とは知っていた。
彼らは本国インドでカースト最低の身分から外された。
インドの人口の数にも入れてもらえない。
国民・人として扱われない階級にあたるらしい。
彼らは何千年もインド住んでいるのに。
これもすごい話だ。
我々が行ったジプシー村の家は、
藁葺の掘立小屋で、中は空っぽ。
雨風も寒さも防げない。
雨季には家にテントやビニールを掛けるらしい。
彼らは農業しない。
誇り高き砂漠の民だ。
村はコブラ使いを家業として飯を食っている。
いずれにせよ、ジプシーの生活は石器時代と変わらない。
例外的だが、ここのジプシーは学校に行っていた。
法的には誰でも学校に行けるが、
ほとんどのジプシーの子供たちは行かないらしい。
笛に合わせて踊る8歳のジプシー娘とコブラに合わせて、
私もインドの砂漠と青い空の下、踊る羽目になった。
子供たちはどこに行っても可愛い。
また、人間どこでも住めるような気がする。
インド・世界平和万歳だ。
<By 浅野秀二>
2 件のコメント
インドでも、シェール革命が起きるのか注目です。エネルギーの確保と安定価格は、国も企業も同じで、調達先の分散化が出来ないか勉強を急いでいます。
是非Facebookリンクしてください。
現地でもシェールガスのことは話題になっています。
なにしろ、インドの一人当たりのオイル使用量3.3リットル、
中国や先進国の何十分の一です。
石油は中近東特にイランに頼っています。
今後使用量が激走すると思われ、シェールガス重要になるでしょう。
FaceBookで可愛い犬の写真をたくさんみました。
いつか、私のFacebooKに愛犬の写真のたくさんのせます。