北欧の旅(前編)デンマーク・スウェーデン
デンマーク・スウェーデン
真夏の北欧旅行、なんだか言葉の響きが良い。
所得が高く、安全で、洗練された文化、森林、湖と氷河。
なによりも金髪女性が多いのも興味を引いた。
デンマークに3泊、スウェーデンに4泊。
確かに良い国だが、ニューヨークやサンフランシスコ、東京に慣れている私には、
文化の洗練度という意味でなにか物足りないものがある。
まず、食事がマズイのが気になった。
地元のガイドが
「アメリカからきた皆様に価格が2倍もするマクドナルドを紹介するわけには
いきません」と言った。
それに対して仲間たちが言った。
「でもどこのレストランより、マクドナルドが美味しい」
私も同感だった。
私は5日目で心に決めた。
痩せて帰ろう!
最近9キロも太っているのだ。
レストランのワインもアメリカの数倍の価格だ。
しかしこれも決して美味しいとも思えない。
ワインを飲むのも控えよう。
デンマークは「パンケーキのように平たい」という表現があるらしいが、
1週間も平たい所ばかり走っていると少々飽きてくる。
スイスの山が恋しい。
ノルウェーに入れば氷河や山があるはずだ。
それまでは我慢。
それにしても風景はアメリカのミネソタ州やオレゴン州などとそっくり。
アメリカを旅しているようだ。
だから物足りないのか?
歴史の話はいつも興味を引くが、
14世紀ごろの王は14、15歳の娘と結婚するのが当時の習わし。
15歳で嫁いだ女王が王の亡きあと、
何度も兵を引いて、ノルウェーやスウェーデンを征服。
果てはイギリスまで攻めた話には、亡き王もきっと驚いたことと思う。
12~15世紀ごろは庶民と王侯貴族の違いは、
腹いっぱい物が食えるかどうか?だったそうだ。
そこで当時の姫君、女官たちは、
一日4キロの夕食を食べる事を強要されたらしい。
食べては吐き出し、また食べる。
吐き出した物を食わせるための豚をたくさん城に飼っていた話などを聞くと、
日本の王朝文化と比較しても想像すらできない。
19世紀の初め、子供を14人も生ませ、
そのうち6人をヨーロッパ中に嫁や婿に出し、
「欧州の王」といわれた王様もいた。
これはドイツ・オーストリア帝国のハプスブルク王朝の
マリヤ・テレジア女王に匹敵する話で、
ヨーロッパの王朝が、すべて姻戚関係によって繋がっていたという意味で、
日本の皇室とは大きな違いを感じた。
ちなみにマリヤ・テレジアは16人の子どもを産み、
婚姻により欧州を支配した。
マリー・アントワネットの母君である。
余談だが、宝塚歌劇のベルばらの主人公でもある。
いずれにせよ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーは、
ほとんど同じ民族のようなものだ。
アンデルセンの童話の博物館にも行ったが、彼の身長は185センチだった。
一般の人々は当時160センチしかなかった。
現在、世界で最も背が高い人種は、
デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、オランダあたりである。
また彼らは世界で一番所得が高い国民でもある。
この200年でどうしてそうなったのか、非常に興味がある。
今日までの旅で特に気に入ったことは、
ストックホルムの港が本当に美しかったこと。
さすが40もの島からなる港町。
ここは心から感動し楽しめた。
また訪れたい街であった。
これからノルウェーに入る。
<By 浅野秀二>