ミャンマー、イラワジ川クルーズ(1)
2011年春、軍政から民政に移管され、
解放されつつある東南アジアの大国、
ミャンマー(人口約5200万人)に行きたいと思っていた。
そこでイラワジ川2175㎞の大河の
バイキング・クルーズに参加することにした。
3日間バンコックに滞在し、金ぴらぴんのバンコックの王宮や寺を訪問。
彼らの色彩感覚の豊かさに感動。
「わび」や「さび」の日本の仏教との違いは鮮烈だった。
その後、飛行機でミャンマー第二の人口(600万人)都市、
マンダレー市に到着。
ラスベガスのマンダレーホテルはこの町から名前をとった。
イラワジ川に沿って6000もの僧院、パゴダがあるらしい。
何の前知識もない私はその文化遺産に驚いた。
クルーズはここに3日間停泊。
やはり仏教遺跡で有名なバガンに行った。
4㎞四方の遺跡群の中には4000もの仏教遺跡があるという。
もう眼の眩むような壮大なスケールだ。
ピラミッド似たパゴダもあれば、モルモン教に似た建物、
インドやアンコールワットに似た遺跡もある。
ヨーロッパの城郭やエジプト、マヤ文明と比較しても劣らないと思えた。
それにしても自分の無知を恥じた。
豊かなミャンマーがかつて存在していたのだ。
それはどうして失われたのか?
川に沿っていろいろな村々を訪れたが、
村人のその素朴な表情、フレンドリーな性格、
特に子供たちの可愛さは感動的だった。
本気で里親になり、彼らを学校に行かせたいと思った。
彼らの表情を見ると、人間が本来持っていた幸せを、
現代人はどこかに忘れてきた気がする。
悠久の大河、イラワジ川。
悠久のミャンマー仏教歴史。
旅はいつもいろいろなことを考えさせてくれる。
あらためてお釈迦様の言葉を読み返すことにする。
釈迦の言葉。
人生とは旅の如く、
死とは地に帰る事でしかなく、
この世は幻惑の世界のようなもの、
夜明け前の星のごとく、流れの泡のごとく、
夏雲の雷の光にごとく、消え去るランプの瞬きのごとく、
またそれは一瞬の夢かもしれない。
どのように生きるか?
人生の永遠のテーマだ。
<By 浅野秀二>