COSTCO・コストコ
WWTC、ワールド・レスリングのことではない。
アメリカ最強のグロサリー・ショップの頭文字である。
Walmart Whole Foods Trader Joe`s Costco
おそらくこれに異論のある人はいないと思う、
それほど消費者に支持を受けている店である。
その中ですべての所得階級から支持を受けているとしたら
Costcoだと思う。
Trader Joe`sもそう言えないくもないが、
店舗数、売上が比較的少ないという意味で、
まだニッチの世界の領域、コストコには及ばない。
なにしろ、隣にウォルマートが出来て、
彼らがRollbackで価格を下げても、
まったく影響を受けないホールセラー・メンバーシップの
異質な店舗である。
今日はコストコの最近の状況をメモする。
1980年代の初期に誕生したコストコは
現在572店舗にあり、今後10年には強気の成長を予定している。
●生鮮の強化
現在生鮮の売上は、9500億円(以後$1=100円計算)
利益は1000億円を越えている。
これを2兆6000億円まで伸ばし、2000億円の利益を確保する。
新たなる革新とプレゼンテーションの工夫が必要であり、研究している。
●プライベート・ブランド
Kirkland Signatureは1992年に立ち上げられた。
SKUにして15%、もちろん非食品も含む。
消費者にとってはナショナル・ブランドより、
20%の節約になると認知されている。
これを10年以内に25%、(最終目標、37%)にし、
価格の上でも25%のお買い得を達成しようとしている。
●Pharmacy:薬局
ドラッグを扱っている店は513店舗。
売上は3800億円、200億円の利益。
処方箋・調剤の扱いは2009年で3200万件にも達する。
これを10年以内で200店舗増やし、
7500億円の売り上げ、500億円の利益、
処方箋の扱いを5000万件まで増やそうという野心的な計画である。
しかし、これらの数字は、あくまでゴールであり、
どんな犠牲を払ってでも、絶対に達成すべき数字ではない。
たとえばプライベート・ブランドなどは柔軟に考えられている。
すでに成功しており、ナショナル・ブランドの成功を否定してまで、
数字を追いかけるようなことはしない。
もちろん、ナショナル・ブランド・メーカーに対しては、
強力かつタフな交渉者として、常にベストな取引を目指している。
ロープライス、これが会社の成功ビジネス・モデルの基本であり、
消費者から支持を受けて来た理由である。
コストコの創業者の一人、Jim Sinegalは、
今でも経営の第一線にいるが、
社員の定着率が高い会社として知られている。
大企業になった今でも、創業時の会社の個性、
文化をいまだに維持しているのは驚異的である。
ローコストを追求する文化では、
地域社会の人口構成に密着したマーケティングを
しようという意見が出た場合、一定の配慮はする。
しかしあくまでもローコスト・オペレーションが基本のため、
それを犠牲にしてまで、追求することはない。
選択と妥協の無い態度こそ彼らの文化である。
今後も彼らは期待以上の数値を残すだろう。
例えば、6カ月前に販売したKirkland Signatureのビールは、
年間で10億円と予想していたのにもかかわらず、
マス・メディアなどに取り上げらたことで人気が出て、
35億円の数字をあげた。
が、コストコを長年知っている人にとっては、
特別驚くようことではない。
私も、ガソリンを入れるのは100%コストコ。
店には1週間に一度は買い物があろうが、無かろうが入る。
何しに行く? 宝探しと、試食にいく。
どんな商品があるか?解らない?
それが楽しい、20%の商品はコンスタントに変化する。
グランドピアノ、ドラムセット、ダイヤモンド、コーチのかばん。
高級ワインで有名な、オーパス・ワンのワインを発見した時の感動、
120ドルで10本も買った。
この他、ガソリン・ステーション、タイヤ販売・交換。
ホットドック、サンドイッチ、ピザで1週間に1000万円も売るカフェ。
眼鏡屋、異業種と組んで旅行、自動車、住宅不動産まで扱う。
販売品目3500アイテム以上の存在感が、
我々の生活に入り込んでいる。
浅野秀二
10月4日