平 強氏のセミナー
3年ほどまえに、京セラ創業者の稲盛経営を勉強しようという話があった。
ロスから盛和塾の代表世話人他数名が、
シリコンバレーの中心地であるサンノセ市で説明会を開いた。
私はとにかく初めから入塾する気持ちで参加した。
それが昨年5月に50名ほど集めて、稲盛塾長の列席を仰ぎ、正式に塾として発足。
月に2回勉強会を開いている。
われわれのメンバー全員は、非常にユニーク方々が多いが、
2名の大先輩・経営者の成功物語のスケールは特別だ。
また地元では慈善家としても知られている。
徒手空拳で渡米、世界一のラン栽培者となった松井さん。
子供4名全員、ハーバード大学を卒業した。
もう一人は、米国サンヨー・セミコンダクター社長から、
シリコンバレーで、ベンチャー・キャピタルの一人者となられた、
タザンインターナショナル代表の平強氏である。
今日は、平強氏のセミナー、
『シリコンバレー企業家たちその成功と失敗』
のタイトルでおこなわれた。
アメリカにおいてのベンチャー企業約4000社。
シリコンバレーは、そのうちの30%を占める。
成功率は0.1%の確率。
2000年以前(バブル期)は、200ビリオン(20兆円)というお金が動いていた。
2008年は一四半期で$5ビリオン、日本は年間3兆円まで落ち込んでいる。
このバブル崩壊で多くのベンチャー投資家は消え去った。
アメリカの企業は、利益をだすために投資するが、
日本の企業は、利益をだしてから投資する。
企業を成功させる十カ条
1)人物、やはり人である。
2)金
3)マーケット・テクノロジー
4)100里を行く者は99里を半ばとす
5)ビジョン
6)チーム・ワーク
7)ネット・ワーク
8)Mentor・助言者・指導者
9)社外取締役活用
10)根性
成功しているベンチャーは知られているが、
表に出ない、失敗事例もたくさんあるようだ。
LCDプロジェクトにおいて、100億ドルの投資を受けたが
テクノロジーは急激に成長するため、他社に先を越されてしまった。
10年ほど前に、CELLPHONEのプロジェクトで、
ウルトラーロー・パワー、ハイ パフォーマンスの技術を持ちながらも、
社長がVISIONを実現する強烈な意志をもてなかったことや、
資金不足の為、断念。
女性をターゲットにインターネットの相談窓口を企画したが、
ソフトウェアの開発に遅れ、市場をつくれなかった、等々。
この他、靴のメーカーでZAPPOSの紹介があった。
この会社は、すべてはカスタマー・サービスから始まるという、ユニークな会社だ。
「Delivering Happiness」がモットー。
どこの世界もカスタマー・サービスが最重要である。
面白いと思ったのは、
ゴルフをする起業家には、金は貸さない。
シングル・ハンデなど問題外。
(私もゴルフに凝って会社を左前にした人を、たくさん知っている)
接客においての人物の判断として、
鮫のステーキを食べれるか(何でも食べれるか)どうか。
また、お箸の使い方も、判断材料にもなるらしい。
平さんが手がける投資があまり成功するので、ゴールド・フィンガーと呼ばれ
女性に「タッチ・ミー」とよく言われたこと。
女性塾生は、もちろん握手を求めて殺到した。
私は皆さんにお聞きしたい。
①100名の従業員で100億円売り上げ、利益を30億円出す企業と、
②5000名の従業員で5000億円売り上げ、100万円しか、利益を出さない企業と、
企業としてどちらに価値があるか?
もちろん、立場や、考えの視点によって違ってくるが?
どんな議論になるか?
興味はある。
平さんには、今度会った時にお聞きしようと思う。
浅野秀二
6月30日