レストランはシェアーを失いつつも勝ち続けているのか?
消費者が自宅で食事をする機会が増えているため、
レストラン業界が不振であることは、言わずと知れた事実である。
しかし、近頃、レストランは儲けは出ていないものの、
顧客の心を再び掴み始めているようだ。
最新の消費者ネットワークの調査では、
このトピックについて、いくつかの興味深いレポートを
数週間の間に2度も話題にしている。
この新しいレポートは消費者レポート協会のたった25人の
消費回答者による非常に僅かなサンプルでしかないことを警告しておく。
しかし、そのフィードバックのいくつかには
今後、更なる追求が必要な箇所がある。
消費者は 35の対象リストから、
よく利用するスーパーマーケットとレストランをベースにして、
【優秀】や【経済性】などの対象に点数をつけた。
スコアーは0から5.0で、最高値は5.0である。
そして、各対象に対して平均値が計算された。
消費者が家庭で食べることが多い中、
レストランの方が他の対象よりも2倍以上数値が高かった。
レストランは最高4.7という得点を記録した。
【信頼性】、【正確性】、【便宜性】、そして【サービス】で高得点を出した
スーパーマーケットでも4.5や4.4であった。
スーパーマーケットにおいて注目すべき点は、
レストランと比較した時に大きく点を落としたエリア、【新鮮さ】である。
これはスーパーマーケットが一番力を入れてきたはずのエリアである。
レストランの勝因は“パーソナライズ・フォー・ミー(私に合わせた料理)”
つまり、消費者は食料品のロイヤリティープログラムにおいて、
レストランに感じるようなユニークさを、
スーパーマーケットには感じていないのである。
一方、スーパーマーケットは
【エコフレンドリーさ】、【エスニック性】、【栄養面】や【便宜性】、
そして【食の安全性】において、
レストランよりも少しではあるが、勝っているようだ。
このリサーチで、いつレストランの売り上げが上昇するとか、
どうすればスーパーマーケットがよりよく運営されるとかの予測は出来ない。
しかしながら、スーパーマーケットがこの不景気を乗り切り、
消費者が優先順位を決定する状況が訪れた時、
レストランにシェアーを取られないようにするためには、
この結果を真剣に受け止めなければならない。
では、食品小売業者に何が出来るのか?
ここに1つのアイデアがある。
顧客に対して、上記と同じようなアンケートをとり、
そして顧客の期待を下回る点において改善を図るべきである。
その先で問題となるであろう買い物客の否定的な意識を変えるため、
行動を起こす時間はまだ残されている。
2009年秋期
JAC報告