ドイツから
アメリカが建国して間もないころ、
国語を英語にするか?ドイツ語にするか?で投票が行われた。
一票の差で英語になったことは知られていない。
それほどアメリカにはドイツ系の人は多い(白人種では一番)。
いずれにせよ、英国のアングロ族もサクソン族も
ドイツの北から英国に移住している。
ドイツ語と英語は兄弟言語である。
世界を旅すると、いろいろなことが発見できて楽しい。
ドイツは金髪、青い目の美人の宝庫だと思っていた。
しかし、ドイツに12日間もいたのに、美人にはほとんど出会わない。
それはどうしてか?と考えた。
まず色気がない、笑顔、愛嬌がないのである。
すべてが事務的で、まるで小売業のALDIのような考え方だ。
価格がすべて、余分な装飾は必要ない、電話にも出ない。
もちろん、笑顔どころか、
最後に「サンキュー」や「ダンケシェン」の挨拶もない。
きっとBEDの中も仕事のようにこなすのだろうと想像した。
この国で日本のようなカスタマーサービスを提供すれば、
一部の消費者には受けるはずだ。
自信をもってそう言える。
女性がセクシーでないのは、体格からくるものもある。
骨太で肩と尻が大きく、顎も張っている女性が多い。
つくづく世界中の美人は人種ではなく、
どこの国にも一定の比率しかいない?と思った。
(次回スウェーデンで確認します)
つくづく美人は希少なのだ。
スーパーの商品もユニークな希少価値のあるPBに魅かれるはずだ。
さて、チェコのプラハから最大の港町であるハンブルグまで、
エルベ川(全長1091km、ドイツ国内727km)のクルーズに乗った。
晴れたのはプラハとハンブルグで4日間と、
ドイツのドレスデンに着くまでの移動日だけだった。
ドレスデンは第二次世界大戦で英国に爆撃された美しい港町で、
昔のまま再建築されていた。
ドレスデンでは朝から豪雨で、
午後、なんとか曇りの中で写真だけは撮れた。
その後、7日間ずっと、雨ときどき曇りのお天気だった。
ガイドが、ドイツのことわざに、
「お天気には問題(悪い日)ないが、服装に問題があるだけだ」
と繰り返し言っていたが、さすがに7日間も雨ばかりだと落ち込む。
(ドイツでは自然現象は想定外にはならないのか?)
その上、非常に寒く、冬仕度というか、
コートやジャンバー姿の人もいる。
もちろん、今年の7月は異常らしい。
気温が13度前後なのだ。
ドイツの景色は、グリム童話のようにメルへンチックで
絵画のように美しい。
プラハ、ドレスデン、そして陶器で有名なマイセンまで、
川の左右には、アメリカで見る以上の豪邸が並び、
ドイツの第2次世界大戦前の豊かさを想像させた。
これらはすべて第2次世界大戦の前に建てたものだという。
エルベ川沿いは、小さな町と森林や農場ばかり。
麦畑、トウモロコシ、ジャガイモ、
牧場、羊、さらには、ひまわりくらいしか見えない。
最終地点の港町・ハンブルグまでおよそ700kmの間、
山がまったくないのだ。
アメリカだったら中西部穀倉地帯の
シカゴからニューオリンズ間をピシシッピー川でくだる感じだが、
ドイツは、人影がまばらで、森林が多いという意味で、
アメリカとは全然違う。
アメリカより、開発されていないのだ。
エルベ川はゆったり流れ、
フロンティアの地のような平原が広がっていた。
この国は想像以上に広大だった。
これでもドイツはヨーロッパで人口密度が最も高いらしい。
百聞は一見にしかず。勉強になった。
毎日、港からバスをチャーターして周辺の街に行くのだが、
観光は教会と広場ばかり。
日本に来た外国人が寺まわりで苦情を言うのと、同じ思いだ。
庶民の生活を体験するということで、アパートを訪問したが、
まだまだ東ドイツの住宅水準だった。
これでも彼らは、東西ドイツが統一されたことで、
生活は格段によくなったと言っていた。
バスでベルリン(人口350万人、ドイツ全体人口は8200万人)
にも行ったが、アメリカのような、
郊外の大型ショッピングセンターが、
まったく目につかない。
とにかく豊かな森林と農場ばかりだ。
探す時間もあまりなかったとはいえ、
ベルリンの都心でさえ、
洗練された店舗を見つけることができなかった。
ドイツで2番目に大きい都市、ハンブルグでは
晴れたので、時間をかけ、店回りをした。
やっと日本のデパ地下のような
洗練された惣菜、ワイン、高級チョコレート、寿司などを、
高級百貨店の最上階で見つけることができた。
有機スーパーのBIO COMPANYもあったが、
20年前のWHOLE FOODSのイメージだった。
ショッピングセンターやデパートの地下には、
「DM」と呼ばれる、食品を扱うドラッグストアや、
「REWE」という比較的高級なスーパー、
「ALDI」「LIDL」などの小型ディスカウント・ストアが入っていた。
ドイツの郊外はもちろん、都心部においても、
食品スーパーは、「ALDI」「LIDL」「PENNY MARKET」「NETTO」など、
小型ディスカウント・ストアが中心で、
多様な食文化をサポートするために
さまざまなフォーマットを展開する食品スーパーは、
米国と比較すると少ない。
アメリカの食生活は、ホールフーズやウェグマンズなどの
フード・サービス(惣菜文化)により、
最近、格段に進化したのだとつくづく感じた。
ALDIはドイツに2500店舗、
全世界で合計すると8500店舗を超える。
LIDLはドイツ国内で3000店舗、
世界では9000店舗を超える。
この店がALDIより客が多かった。
ちなみに、LIDLは米国進出を考えているらしい。
ますますアメリカが面白くなる。
サッカーの日本人選手、チョン・テセ(北朝鮮系)の
ユニフォームにNETTOの広告がのっている。
これはドイツでの試合時のものか?
NETTOはオランダの会社で、
ドイツで293店舗の小型ディスカウント店を展開している。
船での食事で、いろいろな人たちと話したが、
アメリカの中産階級が疲弊していると感じた。
金持ちはますます金持ちになり、社会が不安定になってきた。
ウォルマートの客層である低所得者は、
それ以上に疲弊している、と聞かされた。
同感だ。
ホールフーズは強気の店舗展開を考えている。
最新のニュースでは、昨年16店舗、今年は18店舗、
2012年は24~27店舗、2013年は32店舗以上の新店を計画している。
第3四半期の業績は、利益が34.6%の伸び、
売上げは10.09%も伸びて、2400億(100円計算)となった。
日本は金持ちも、中産階級も、低所得者も
疲弊してきたように感じている。
経済成長最優先政策が必要だ。
また脱線する。
ここで止めることにする。
ドイツの底力を感じた旅でもあった。
浅野秀二
8月5日