素敵な言葉
鳴かず飛ばずで、いたわけではない。
鳴きもしたし、また忙しく飛びまわってもいた。
ただ書きまくる機会はなかった。
ロピアのニューヨーク視察研修会で
結城先生と同行して3グループを案内。
この他にもニューヨークで別のグループ1回、
さらにダラス、シカゴ、サンフランシスコ、
サクラメント、ラスベガスなどを飛び回った。
1月26日から2月末日まで5日間しか家にいなかった。
いや正確に言えば、そのうちの3日間は山の神に乞われ、
息子に会いにロスまで車で往復、3日間で20時間の運転もした。
可哀そうなのは犬たちだ。
残りの2日間は散歩に連れ出した。
疲れはない。
川の流れのように、ただスケジュールに流され、
たんたんと仕事をこなすだけだ。
流れに抵抗はしない。
いやだとか、疲れたとか、暑いとか、寒いとかも考えない。
ニューヨークではマイナス18度、
シカゴではマイナス8度。
雪、霙、雨、なんでもこい、覚悟は決めている。
それにしてもカリフォルニアは温かい。
摂氏17度で半袖。
ロスに行く途中の農業地帯にはアーモンドや菜の花、
ワサビの花が咲き乱れ、天国のようだ。
しかし、自然界も人生もよくできている。
毎日、花や蝶やでは生きていけない。
カリフォルニアは水不足で農業も人の生活も危機的状況だ。
雪や嵐の日が待ち遠しい。
人生も同じだ。
我が郷土の士、山中鹿之助は言った。
「我に七難八苦を与えたまえ」
今、私は株式市場でそれを味わっている。
金と石油に投資をしたのだ。
世紀の大相場でこのありさまだ。
いつもそうだが、雑談、前置きが長い。
ニューヨークのイータリー(EATALY)で本当に素敵な言葉に出会った。
「あなたはイータリーで、
世界で2番目においしいパスタに出会うでしょう。
もちろん、一番はあなたの母の作るパスタです」
私はその謙虚さに感動した。
かつて山の神が私に言った言葉。
「あなたを一番愛しているのは、あなたのお母さん。
私は争おうとは思わないよ、何でも2番目でいいのよ」
この言葉に感動した記憶がよみがえった。
<By 浅野秀二>