2010年10月の標語

「良く噛んで食べる」

食欲の秋、私たちは、毎日、3回の食事をする。

日本人は1年間に1200回食事する。

朝昼晩の食事以外に、間食、夜食、つまみ食い、おやつなど含めると。

それが黒田節子先生の名著『1200食のマーケティング』の根拠となった。

この1200食をすべて、「良く噛んで食べる」

特に10月には、「良く噛んで食べる」

それが今月の標語。

私の著書『メッセージ』(商業界刊)にも文章が入っている。

「良く噛んで食べる」

人間ドックに入って出てきたら、

金属疲労のごとく、いっせいにチェックが入れられた。

全身疲労の四十九歳。

要は、体重を減らせ、痩せろ、節制せよ。

そこで、考えた。

「良く噛んで食べる」

これだけに徹しよう。

そうすればすべて上手くいく。

まず消化がよくなる。

胃腸の負担が軽くなる。

歯が丈夫になる。

顎も発達する。

食べ物の味が分かるようになる。

食べる時間は長くなるが、総体的に量が減る。

量が減れば、少しだけお金もかからなくなる。

その分、美味しいものを食べようと努力する。

うん、すべてよくなる。

健康になるはずだ。

しかし困った。

「良く噛んで食べる」とは、いったいどうすることなのか。

そこで再び、考えた。

「心の中で数えながら噛む」

最低四〇回、あるいは四十八回。

この習慣をつける。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「に、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「さん、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「し、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

・・・・・・・・・。

このくらいで、たいていのものは、

心地よく口の中から消えていく。

きちんと噛むために、適当なかたまりを、

順序よく口の中に入れるようになる。

食物の堅さにも、

関心を払うようになる。

すべてよくなる。

ときどき、舌や唇を噛んでしまうこともあるが。

しかしみたび、考えた。

この私の「食べるマニュアル」は、

果たして、

食事時だけのものなのか。

・・・・・・・・・・。

実は、これが何にでも使える。

事実も、問題も、「良く噛んで食べる」

苦情も、報告も、「心の中で数えながら噛む」

目がさめている限り、何でも。

「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「に、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「さん、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

「し、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち」

・・・・・・・・・。

私が49歳、『食品商業』編集長の時の巻頭言から抜き出して、

『メッセージ』に収録。

しかし9年前の文章が今も、使える。

それが10月の商人舎標語の意味。

政府に向けて言うならば、

尖閣諸島問題も「良く噛んで食べる」

円高デフレも「良く噛んで食べる」

会社に対して言うならば、

売上げや利益が上がらないという問題も「良く噛んで食べる」

労務問題も環境問題も「良く噛んで食べる」。

とりわけ、食べにくい食物、繊維質の食べ物、固い食品は、

「良く噛んで食べる」

むずかしい問題、絡み合った問題、二律背反の問題は、

「良く噛んで食べる」

<結城義晴>

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