古い「販促企画書」を捨てよ。
創意を尊びつつ良いことは真似ろ。
今は亡き商業界主幹・倉本長治先生の言葉。
つまりは創造と模倣。
それがイノベーションの極意。
しかし今も昔も、
「真似」は大流行り。
そして模倣が創造を圧倒し続けている。
なぜか?
楽だから。
わかりやすいから。
やりやすいから。
すぐ効果が出るから。
もちろん模倣は学びの手筋。
学ぶは真似ぶが転じた言葉。
だからベンチマークするし、
ストアコンパリゾンをする。
しかしいつまでも、
猿真似ばかりはいただけない。
これが蔓延すると、同質化現象が生じるからだ。
良いことを真似つつ創意を尊べ、ではない。
そして同じような商品やサービスならば、
企業規模が大きい者が勝つ。
チェーンストアならば店数が多い者が有利になる。
規模の経済原理で低コストが実現できるからだ。
ただし、同質化も立派な戦略の一つだ。
マーケット・リーダーの定石。
チャレンジャーが差異化戦略で挑んでくるとき、
同質の財を提供し、相手の差別化を無効にする。
しかしそうは言ってもマーケット・リーダーも、
この模倣戦略を企業体質として定着させたくはない。
イノベーションに立ち向かう気風が、
組織から喪失してしまいやすいからだ。
ピーター・ドラッカーのポスト・モダンの作法。
自分の目で見よ、
自分の耳で聞け。
自分で考え、そして実行せよ。
2014 年末商戦の作戦計画に向けて、
いま、同質化を徹底的に排除したい。
だからもう、古い「販促企画書」を捨てよう。
新しい「マーケティング営業企画」をつくれ。
〈結城義晴〉