良きウェザー・マーチャントたれ!
良き漁師は天候を予測する。
良き農夫も日々の気候の綾を知る。
良き水夫はその変化を事前に察知する。
そして良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
すなわち天候条件で顧客心理を読み取る。
しかし昨今の日本の商業は、
ああ、お天気産業よ。
いつもいつも、私を嘆かせる。
お天気次第の売上げ・利益。
天候に決定的な影響を受け、
それに従属したような産業。
そのくせ、天候不順を乗り越えられない。
企業や店の商品力が、天候の変化に勝てない。
オペレーションはその後追いしかできない。
だからウェザーMDの必要性が叫ばれる。
しかしそのお天気販促は表層的だ。
季節プロモーションは画一的だ。
平和産業、
人間産業、
地域産業。
そして、
ああ、
お天気産業よ。
顧客の生活は環境とともに変わる。
何が食べたいか、どう生きたいか。
暮らしは、時々刻々、天変地異の中にある。
天候変化が生活心理をつくり、
購買行動を変え、
新しい消費を生み出す。
良き商人は例外なく、
ウェザー・マーチャントである。
天候に応じて顧客心理の変化を読み取る。
〈結城義晴〉