店は客のためにあり、店員とともに栄える。
ポピュリズムの台頭に、
世界が右往左往した2016年。
イギリスのEU離脱、
トランプ米国大統領誕生。
相変わらずのテロリズム横行、
不気味な極右勢力の浮上、
大量難民の行き場のない移動。
そして地球温暖化の異常現象。
それに対して日本社会は浮かれ気味だ。
日銀異次元金融緩和だけのアベノミクス、
「おもてなし」による東京オリンピック景気、
そして「爆買い」のインバウンド消費バブル。
消費増税と軽減税率は延期された。
円安・株高は景気を好転させるかに映る。
1年を表現した漢字は「金」
流行語大賞は「神ってる」
しかし現実を見て、現場を歩くと、
多くの中小企業や大半の消費者にとって、
好況の恩恵に、実感はない。
生活が豊かになったとはいいがたい。
小売りサービス業経営は、
深刻な人手不足に苛まれ、
働き方改革と人材マネジメントが、
存続はもとより生存の条件となる。
そんなふうに2017年がやってきた。
しかし2020年までは、
やはり無呼吸泳法だ。
ひたすら我慢と忍耐の仕事が続く。
店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
顧客満足と従業員満足、
それに社会満足が加わる。
市場原理から社会原理へ。
競争から共創へ、EGOからECOへ。
サスティナブルへ。
オーガニック&ナチュラルへ。
だから、店は客のためにあり、
店員とともに栄える。
それに「社会のためにあり」を加えて、
「三方良し」を目指すときだ。
〈結城義晴〉