もったいない、ありがたい。
「売れない」のではない。
「売っていない」のだ。
「売り損なっている」のだ。
鈴木敏文さんが言い、
故緒方知行さんが追従(ついしょう)した。
これは機会損失撲滅の本質を突いた。
だからセブン-イレブンは、
加盟店とスーパーバイザーに徹底した。
「売れ筋でロスを出せ!!」
しかし残念ながらこの時代は終わった。
値下げロス・廃棄ロスと機会ロスは、
本来、二律背反の関係にあるからだ。
だから戦略的に、組織的に、
もう1人、もう1品、もう1円の改善。
そしてもう1パーセントの努力。
フィリップ・コトラーが読みきった、
マーケティング1.0は、
製品中心の時代だった。
マーケティング2.0は、
消費者志向の時代で、
売り手市場から買い手市場に移行した。
そしてマーケティング3.0の今は、
価値共創の時代である。
ソーシャルマーケティングの時代である。
「売れない」のではない。
「もったいない」が足りないし、
「ありがたい」が少ないのだ。
〈結城義晴〉