不可逆性の転回を起こせ!
どんな現象にもライフサイクルがある。
もともとは人生を円環にして描いたものだ。
幼年、少年、青年、中年、壮年、熟年、老年。
それが商品や企業や業態などに当てはめられた。
これらのライフサイクルは、
導入期⇒成長期⇒成熟期⇒衰退期を辿る。
そしてここには不可逆性がある、とされる。
人生が二度と取り戻せないことと同様に。
しかし人生は別にして、
商品や店舗や企業や業態には、
それほど安易に実現するものではないけれど、
本当に稀に不可逆性の転回が起こる。
佐藤一斉は言葉を残す。
少(わか)くして学べば、壮にして為すこと有り。
壮にして学べば、すなわち老いて衰えず。
老いて学べば、すなわち死して朽ちず。
最後の最後に、老いて学ぶことが、
奇跡を生み出すのだと思う。
衰退期に必死で生きようとすると、
死に体の組成が甦る。
それが不可逆性の転回である。
商品や店舗、企業や業態には、
ときとしてこの現象が起こる。
そしてそのメカニズムこそ生命の秘密である。
不可逆性の転回現象を探せ。
不可逆性の転回事例を追いかけよ。
そこからライフサイクルの秘密を発見せよ。
好循環の生命力はここに源を発する。
〈結城義晴〉