「店」が足りない。
「お客さまから見れば、
店は少ない。
店になっていない店が多過ぎる。
建物が多いだけだ」(『岡田卓也の十章』から)
顧客にとって、
不便な場所にある店、
わざわざ出向くに値しない店は、
単なる「建物」に過ぎない。
顧客はただ、
もっと便利で、
もっと魅力的で、
もっと感動する店を求めている。
もっと必要とする商品を、
もっと必要とする価格で、
もっともっと楽しく、
買物したいだけなのだ。
時代とともに顧客とともに、
自ら考えて、自ら変わっていく。
そんなユニークな店にならねばならない。
模倣困難な店にならねばならない。
時代に適応した店舗は、
どんな地域からも歓迎される。
しかし時代に適応した店は、
いつの時代にも足りない。
変わらない店、
旧態依然の店、
陳腐化した店、
汚い店。
いくらたくさん建物があっても、
本当の店は足りない。
だから魅力的な店が登場すると、
顧客は熱狂する。
いつも、危機感のなかにいる。
いつも、考えて、考えて、考え抜く。
いつも、「やり方」を変える。
いつも、「客のためにある」。
「お客さまから見れば、
店は少ない。
店になっていない店が多過ぎる。
建物が多いだけだ」
〈結城義晴〉