売れる売場と美しい売場
美しい売場がつくりたい。
いや商売は、
売れてなんぼだ。
楽しい売場にしたい。
いやこれも商売は、
儲かってなんぼだ。
どちらが正しいか。
もちろん売れなければ意味がない。
店や売場は美術館ではない。
遊園地でもない。
商品を選んでもらう場だ。
商品を買ってもらう場だ。
ショッパーのためのバイイングの場だ。
だからわかりやすさ、シンプルさが第一にくる。
そのうえで商品の魅力を最大化させる。
商品の価値を効果的に訴求する。
売れてなんぼの条件は、
どんな国のどんな店、どんな売場でも、
優先されねばならない。
かといって、
美しい売場、楽しい売場が、
否定されてはいけない。
売れて美しい売場、
儲かって楽しい売場、
それこそ求められる売場である。
だが、それよりも大切なことがある。
嘘のない売場である。
真実の売場である。
正しい売場である。
シンプルな美しさ。
理屈のない楽しさ。
それが嘘を退ける。
嘘のない売場にしか、
真の美しさはない。
真の楽しさはない。
そして嘘のない美しさこそが、
真の楽しさこそが、
最後に儲かってなんぼを実現させるのだ。
〈結城義晴〉